カテゴリ:懐かし邦題アルバム
『放射能』 クラフトワーク
「Radio-Activity(Radio-Aktivität)」 Kraftwerk (75) ナチス・ドイツの魂を継承して、アメリカに侵略を敢行したジャーマン・プログレッシヴ・パワー、クラフトワーク、「アウトバーン」に続く待望の最新作! エレクトロニクス・エフェクトを駆使し、無限の可能性を視覚的に表現したクラフトワーク 快心の第2弾!! A面 1. ガイガー・カウンター(放射能測定器) - Geiger Counter(Geigerzähler) 2. 放射能 - Radioactivity(Radioaktivität) 3. ラジオランド - Radioland 4. エアウェーヴス - Airwaves(Ätherwellen) 5. 中断 - Intermission(Sendepause) 6. ニュース - News(Nachrichten) B面 1. エネルギーの声 - The Voice of Energy(Die Stimme der Energie) 2. アンテナ - Antenna(Antenne) 3. ラジオ・スターズ - Radio Stars(Radio Sterne) 4. ウラニウム - Uranium(Uran) 5. トランジスター - Transistor 6. オーム・スイート・オーム - Ohm Sweet Ohm ドイツの電子音楽?テクノ・ポップ?のバンド・クラフトワーク(Kraftwerk)が75年にリリースした5thアルバム「放射能(Radio-Activity・Radio-Aktivität)」。邦題というか原題を直訳しているだけなのだが、まぁ珍しいタイトルなので取り上げてみたい。 人類史上初、且つ世界で唯一核兵器が実戦使用された国で生まれ育った者として、放射線の怖さは心に刻まれている。日本に投下された原子爆弾は2発。一つは45年8月6日に広島市に投下されたガンバレル型ウラニウム活性実弾でコードネームはリトルボーイ(Little Boy)。もう一発は同年8月9日に長崎市に投下されたプルトニウムを用いたインプロージョン方式の原子爆弾・ファットマン(Fat Man)。大量の熱線と放射線を浴びて亡くなった方は両市で20万人にも上った。 私が16歳だった86年4月26日、チェルノブイリ原子力発電所事故が起った。当時は連日報道されていたが、所詮異国の事故ということでわりと呑気にニュースを眺めていた。 放射線の恐ろしさに初めて震えたのは、99年9月30日に茨城県で起った東海村JCO臨界事故だ。施設内で核燃料を加工していた最中にウラン溶液が臨界に達して核分裂連鎖反応が発生、至近距離で多量の中性子線を浴びた作業員3名中2名が亡くなった。後年、その被爆から死に至るまでの状況をネットで知って、PC前で慄然とした。 11年3月11日には東日本大震災による福島第一原子力発電所事故が発生。チェルノブイリ原発事故と並ぶレベル7の深刻な事故だった。どこかのTV局ではプレゼント当選者として「怪しいお米 セシウムさん」などというとんでもないフリップを誤放送して大顰蹙を買ったっけ。東日本一帯が立入禁止の政府管理区域となり、新首都が「岡京」になるとの某タイムトラベラーさんの予言も懐かしい(岡山県民なので未だに覚えている) ちなみに放射線、放射能を光にたとえると、放射線は光で、放射能は光を出す能力のことだそうな(電気事業連合会HPより)。 さて、アルバム「放射能」であるが、当初のジャケットはナチス政権の宣伝省が1930年代後半に導入した国民ラジオのイラストだった。09年のリマスター盤からは放射性標識の三葉マーク(アルファ線、ベータ線、ガンマ線)が描かれているジャケットになっている。 Wikiさんによると、「放射能」は放射性崩壊(Radioactive decay)とラジオ(radio communication)をテーマに編成されたコンセプト アルバムらしい。 クラフトワークのこの頃のメンバーは、v&シンセその他のラルフ・ヒュッター(Ralf Hütter)とフローリアン・シュナイダー(Florian Schneider)、電子ドラムのカール・バルトス(Karl Bartos)とヴォルフガング・フリューア(Wolfgang Flür)の4人。このグループは現在も活動中だが、ちょくちょくメンバーが代わっており、この中で今も残っているのは創設メンバーでもあるラルフ・ヒュッターのみだ。同じ創設メンバーだったフローリアンは08年に脱退、20年に癌で亡くなった。 個人的にこういう無機質な音楽には興味をそそられないのだが、クラフトワークというグループ名を昔から知ってはいたので今回初めてアルバムを聴いてみて、世の中にはこういう音楽を受け入れられる人が大勢いるんだな…と感じた次第。勿論、悪くはないけど。 再びWikiさんによると、2012年7月7日に幕張メッセで行われた反原発ライブイベント「NO NUKES 2012」(YMOが “放射能(Radioactivity)” をカヴァーした)で このイベントに参加したクラフトワークは、同曲を福島の原発事故を明確に意識し反原発(反放射能汚染)を訴える坂本龍一さんの監修による日本語詞で歌唱し現在も世界中のライヴで歌い続けている――とのことらしい。 YouTubeにその “放射能” の福島バージョンが上がっていたので貼っておこう。反原発派だった坂本さんの詞も書いておく。原発の代替エネルギーが開発されればよいのだけれど。 放射能(Fukushima Version)←タイトル click 日本でも 放射能 きょうも いつまでも フクシマ 放射能 空気 水 すべて 日本でも 放射能 いますぐ やめろ そんなクラフトワークに興味を持たれた方は、こちらをどうぞ♪ ガイガー・カウンター(放射能測定器) ウラニウム オーム・スイート・オーム お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.05.09 03:59:15
コメント(0) | コメントを書く
[懐かし邦題アルバム] カテゴリの最新記事
|
|