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やすふじ230AF

やすふじ230AF

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2009.01.23
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カテゴリ:ちょっといい話
 前回の日記で龍野市の霞城館を訪ねた話を紹介し
たが、その霞城館で三木露風の生涯や作風に何故か
惹きつけられるものを感じた。
 その後姫路に戻って地元の図書館で調べていたら
「三木露風-赤とんぼの情景」 和田典子著の本を見
つけた。

 露風は5歳のときに両親が離婚し、祖父方に養育
されているが、母であったカタは優しい母で露風の
幼い頃(本名 操)に本を読んだり、絵を描いたり
して、龍野の自然に触れさせて豊かな情操教育を
施したらしい。
その優しい母と5歳で生き別れになったことが
その後の露風の人格形成や詩の作風に多大な影響
を与えた。

 三木露風の詩は世間から当時難解であると
揶揄されたのであるが、「三木露風・・・」では、彼の生
い立ちや龍野の自然を背景に作られた彼の詩を
細かく分析し言葉の裏に隠された心象をものの
見事に解き明かしてくれている。

  特に第4章の赤とんぼの唄に秘められた
心情、母を暗示させる表現など随所に散り
ばめられた技巧を解説している部分は圧巻で
ある。赤とんぼの唄に盛り込まれた作者の思い
の大きさを感ぜずにはいられなかった。

 詩とは、その背景を知らずに言葉だけを追って
いくと語彙力や洞察力の低い人間にとっては
作者の意図する心情とは無縁の世界を標榜
するはめになる。 しかしこの本を読んでいると
推理小説の謎解きの部分を楽しんでいるかの
ごとく的確に作者の意図が伝えてくれている。
こういう本がありがたい。
赤とんぼ.jpg





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最終更新日  2009.01.23 09:36:17
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