韓国歴史ドラマに関する政治学的考察
韓国の歴史ドラマは李氏朝鮮の時代を舞台にしたものが多いが、そこに描かれている韓国宮廷における政治的な動きを見ていると、面白いことに気がつく。韓国の王様は、絶対的な専制君主ではないのだ。王様は法律と慣例と儒教的な倫理に縛られて、自分の好き勝手に動けないのだ。その点を利用して、重臣たちが王様を追い込み、自分たちの思いのままに動かそうとするのだ。ドラマを見ていると、たいていは王様が正しくて、重臣たちが悪いという設定になっているが、よく考えてみると、この制度は、王様の専制政治を防ぐことのできる優れた制度だということが出来るかも知れない。民主主義ではないけれど、完全な専制政治ではなく、一応法治主義のもとに政治が行われている。英国で、貴族が王にマグナカルタを突き付けて、王の専制政治をやめさせて、法治主義の一歩を打ち立てたように、これは評価されていいことではないのか?