テーマ:☆詩を書きましょう☆(8463)
カテゴリ:詩
折り鶴
毎年 夏が近づくと折り鶴を折る 昔は細い指で器用さを誇り 綺麗な鶴を折っていたが 年を取るにつれ 形もくづれ 折り目も怪しく 少しよろけた鶴を折る
でも思いは変わらない
千羽折れば病が治ると信じて 千羽の鶴を折って逝ってしまった少女のもとへ 最後の餞(はなむけ)にと 振袖を着せられ荼毘(だび)に付された姉妹たちのもとへ 最後の力を振り絞り命と引き換えに 赤子を取り上げたお産婆さんのもとへ 鶴よ 飛んでいっておくれ 手の平にそっと載せ 祈るようにふっと息をかける
赤 青 黄色 ピンク オレンジの鶴たちよ めくらめく陽の光りの中に飛んでいっておくれ あの広島、長崎の青い空の中へ
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