テーマ:☆詩を書きましょう☆(8464)
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冬鳥の飛来
肌を刺すような冬の到来とともに 冬鳥たちがやってくる
ある朝 パタパタと羽音を立て 頭の上を群れをなして飛んでいった 葉を落とし空に向かって手を広げている立木に 先頭の一羽が止まると 群れをなして飛んでいた鳥たちも次々と止まり 一羽が飛びたつと次々と飛んでいく
極寒の北国から温暖のこの地へ飛来してきた ジョウビタキのようだ 新らしい塒を探しているのかも知れない 少しも落ち着いてはいない 一本の木からほかの一本の木へと 群れをなして次々と飛んでいく そのうち視界から消えてしまったが
こんなに慌ただしい冬鳥を見たのは初めてだ いつもは冬日和の木の枝に一羽か二羽 ゆったりと佇んでいるのに こんなに群れをなして飛んでいくのも初めて見た 長い長い飛行の終焉だったのだろうか その瞬間のひと時だったのかもしれない これから過ごす安寧の場所を探し求めていたのかもしれない
鶴は群れをなし気流に乗って ヒマラヤ越えをするという 何度も失敗を繰り返しながら
雀に近い大きさのこの鳥 ヒマラヤ越えはしないだろうが それに匹敵する冒険をしてきたのだろうか いま視界から消えてしまった 冬の渡り鳥の軌跡を しばし思い巡らしてみる
バイカル湖のほとりから あるいはモロッコの草原から あるいは中国北東部の林の中から 海や山を越え日本までたどり着いた渡り鳥の軌跡 それは人間の計り知れないものだろう
今 朝になるとどこからかチチと鳴き声がする 近隣の木々を飛び交い 爽やかな一日を呼び寄せてくれる 穏やかな冬の渡り鳥
by ドレミ・どれみ
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