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HANNAのファンタジー気分

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January 19, 2013
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カテゴリ:映画と原作
ホビット思いがけない冒険 なかなか映画館に足を運ぶ暇がなく…今日やっと2D字幕版を観てきました。
 以下ネタバレありです。

 予告編など予備知識もあまり無いままいきなり観たので、かなりびっくり。映画に行く暇がないかもしれないと、映画版カレンダーだけ去年のうちに購入したのですが、ドワーフたち、誰が誰やら(見た目で分かるボンブール以外は)分かりませんでした。
 それで、よもや大トーリン・オーケンシールドがあんな若造(失礼!)になっているとは思わなかったのです。傷つきやすい思春期風イライジャ・フロド以上の、びっくりかも。

 最初、りっぱな白ひげの別のドワーフ(実はバーリンだった)をトーリンかと思ってしまったため、混乱しました。寺島龍一(岩波の挿絵)の絵の印象が刷りこまれていたのです。
 それで、トロルのあたりからやっと頭を切り換えて、P・ジャクソンのドワーフ群像を新しく鑑賞しなおすつもりになりました。

 結論としては、悪くないです。P・Jは原作を変更しながらも、根っこの部分はきちんと踏襲しているので・・・、ドワーフたちの執念深い復讐心や強固な意志、それを強権的でなくうまく方向付けようとするガンダルフの深慮、はたまた読者の共感を呼ぶホビットの良識的で小さな勇気などです。
 しかし、高貴で慇懃で、むかしの多血質も年齢によって内にこもった感のある、やや高慢な長老・・・落魄の身を嘆きながらもやれることはやってきたというプライドのある「あの」トーリンが、映画ではまだまだ人生これから働き盛りの「若き」王子という設定になり、彼の立場も言動も悩みも、原作とは異なっています。
 したがって、別なトーリンを見なければならず、かなりタイヘンです。何となれば、(別のところ記しましたが)トーリンは、『指輪物語』におけるフロドと同等とも言える、物語の中心人物だからです。『ホビット』は、忍びの者ビルボの視点から見ていますが、まさにトーリンの王国奪還と自己実現の物語なのです。

 若きトーリンは、その若さゆえ、松の木からゴブリンの王アゾグに一騎打ちを挑みに戻ります。原作のトーリンにはないその場面が、映画ではクライマックスとなっています。そして、原作のビルボならすぐにも指輪をはめて加勢に出向くであろうところ、映画のビルボは姿も消さずに捨て身の体当たりに出ました。本人も言っていたように、忍びの者らしいところは少しもありません!
 とはいえ、ビルボの方は、全体的に控えめで常識的で落ち着いて、とてもホビットらしかったです。ゴクリとのなぞなぞ問答も期待通りでした。

 まだまだ冒険も序の口でこれからいろんなことが深くなっていくのでしょうが、ドワーフの区別をちゃんと頭に入れてもう一度観たい気がします。
 最後に、ドワーフの歌が、期待以上に素朴で力強くてよかったです。それから、「ロードオブザリング」同様、ニュージーランドの大自然にも圧倒されました。





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Last updated  January 19, 2013 11:19:22 PM
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