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カテゴリ:映画と原作
ようやくシーズン2を全部観ました。前にも増してどの場面も暗いので(物語が暗い展開になってきたからでしょうけど)、目をこらさないと誰が何をしてるやらわかりません。
(→ネタバレあり)シーズン1の私なりの要約は「皆と離れても信じる道をゆく主人公たちが、物語を進め歴史をつくる」でしたが、今回の感想を一言でいうなら、「最期におのが過ちを悟っていい人になる」でしょうか。 もちろんラスボスのサウロンをはじめ、(サルマンらしき?)悪い魔法使いやヌメノールのアルファラゾンなど、次へ続く悪役たちはますますワルの度合いを高めて行ってますが、このシーズンで退場する人々は退場間際に自分の愚かさに気づいて多少なりともいい人になって散っていきます。 こういう結末は、誰を/何を信じて良いのか分からない、裏切りと期待外れ続きのストーリーの中でいっそう輝きを放ち、視聴者の心をつかむ!というわけでしょう。 生き延びる人々の中で相変わらず見所があったのが、ヌメノールの女王ミーリエルとドワーフのディーサです。欲にまみれた男どもが右往左往する時も、まっとうな常識を貫いてゆるぎません。もちろん、女性キャラがみんなそうではなく、時代に翻弄され迷い揺れ動く者もいます。ガラドリエルもそうだし、新たに出てきた避難民のエストリドなんかも。 トールキンだけではありませんが、古典的なファンタジーのキャラクターは、どうしても最初から悪玉は見るからにワルっぽく、善玉は人質でも取られない限りいつも正義を行う、的なところがあります。でもこのシリーズでは、混迷の世にあって選択を誤ったり迷ったりするキャラクターが特徴的ですね。 ケレブリンボールなんか、おのが才能を追求しそのためにサウロンにつけこまれちゃいます。彼は最初から領地の統治や雑事は同胞に任せておけばよかったですね。サウロンことアンナタールの欺しの演技も見事でしたが、それを自力で看破したケレブリンボールさんは、最期まで(呪いの予見をしたりして)、ノルドールらしく立派でした。 ドワーフ王ドゥリン3世は指輪によってモリアの富への執着が高じていきますが、これもいかにもドワーフらしい(「ホビット」のトーリン/ソーリンなんか指輪なしでも強欲にとり憑かれてた)。バルログを掘り出した途端に迷妄から覚めて立ち向かい、もろともに山の深部に埋もれてしまいます。バルログを掘り出すのは第3紀じゃなかった?という原作からのツッコミを入れたくなりましたが、踏みとどまっておきます。バルログは実は「サウロンの悪意によってとっくに目覚めていたかもしれない」という記述が追補編注釈にありますから…きっと、ドゥリン4世以下の面々はバルログのことを後生に戒めておいたのに、性懲りも無くドゥリン6世がまた掘り出した、のでしょうね… そして、突然イケメンになり話の分かる賢さを見せ、最期にいい人の片鱗を見せたのが、アダルさんです。雰囲気が変わったのは、実は俳優さんが変わったからですが、悪役とはいえ微妙な終わり方でした。トールキンならこういうキャラクターはつくらないでしょうね。 ともあれ、原作の第2紀を超圧縮した感じで話が進みますが、まあ二次創作ですから仕方ないでしょう。 そうそう、トム・ボンバディルが出てきて(かなりとってつけたような登場)びっくりしました。俳優さんのお顔はイメージ通りでしたが、いや、なんかストーリーにはめ込むと違和感だらけ。ただし、歌はすばらしかったです。何度も聴いてしまいました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
November 7, 2024 06:28:48 PM
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