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HANNAのファンタジー気分

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September 23, 2014
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カテゴリ:映画と原作
 原作の原書がとても面白いと聞いたのは、前世紀。数年後ようやく翻訳を読んで、「パラレル・ワールドなオックスフォードが許せない!」と思ったものの、2008年の映画公開のときはくろうと筋に評判がよく、
ちょっと気になっていました。

 それで先頃やっとTV放映されていた映画を観てみました(NHKのBSプレミアムはコマーシャルカットとか気にしないでよいので、好きです)。

 おお、予想以上に面白いこと! アメリカではキリスト教団体から抗議が来てあまり売れなかったと言いますが、異教徒の私には、物語の悪役「オーソリティ」とキリスト教との類似は、原作ほどは気になりませんでした。
 現実世界と似て非なるオックスフォードその他も、映画ではなるべく固有名詞を使わないようにしているみたいで、ありがたかったです。むしろ、現実世界とは違うところに凝った部分が、特撮ならではの魅力として感じられます。

 たとえば異世界の人間が守護霊として持つ、動物形のダイモン。特撮の動物たちが動物としてあまり不自然でなく、しかも人間の魂を具現している人間くささを持っていて、動物好きの私としては興味深かったです。現実でも、犬など、飼い主の気持ちを読んでいるんじゃないかと思うような仕草をすることがありますが、ダイモンたちはみんなそんな感じ。私も欲しいです、ダイモン。

 それから、主人公のライラが非常に良かった。新人の子役さんですが、強気でイヤミでちょっと女王様で、でも心の底では素直で正しい心を持っている、そんなライラのくるくる変わる表情をほんとにうまく演じていました。
 もともと、原作でも、ライラはいわゆる良い子ではありません。度はずれないたずらはするし、平気で嘘はつく、束縛を嫌う、頭の回転は早いが何かと反抗的、という、もう手に負えない少女なのです。
 春に紹介した『魔法の声 インクハート』のヒロインが、映画化されてかわいいけれどぱっとしない優等生になってしまったのとは対照的に、ライラ役のダコタ・ブルー・リチャーズは、登場した当初は全然かわいくないし、たとえば、

 彼女〔コールター夫人〕はいつも私にあれをしろこれをしろと言ってたのよ。
 あなた〔イオレク〕だってそんなのきらいでしょ。
  --「ライラの冒険 黄金の羅針盤」スクリプトより

と言うときの表情ったら、反骨精神いっぱいで、すごいです。
 かと思うと、本心を隠して相手をだますときは、しおらしい顔や従順そうな様子をしてみせたり、そうすると彼女はとても美人に見えるから不思議です。

 ヒロインの周りをかためる人々も、味のあるキャラクターが多いです。コールター夫人〔ニコール・キッドマン!〕やシロクマのイオレクなど、迫力満点。

 で、物語も原作のややこしい設定をわかりやすく見せながら、ずんずん進み、ああ続きを観たい! と思わせて終わります。
 それなのに、諸般の事情(アメリカでの不評、はたまたニューラインシネマが吸収合併されたこと)から、この作品はこれ1作で打ちきりとなってしまったそうです。うわ~、残念。


  





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Last updated  September 23, 2014 11:00:51 PM
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