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テーマ:最近観た映画。(40090)
カテゴリ:映画と原作
大晦日のわたくし的恒例、朝から映画に行ってきました。
じつは封切り直後に2D字幕版を観てあるので、2回目の「ホビット 決戦のゆくえ」、今度は娘と一緒に3D吹き替え版です。 最初はドキドキ(いろんな意味で)、2度目は楽しんで観るのがいいかな、と。 前回、エクステンデッド・バージョンの感想でも書きましたが、どうもPJ監督、劇場版は新たなファン獲得のために公的に作り、原作ファンと監督自身のマニア心を満たすためにはエクステンデッド・バージョンがある、と割り切っているようですね。 以下、ネタバレ注意。 「ロード・オブ・ザ・リング」への橋渡しとなるようなオリジナル場面をいくつも挿入している割には、最後に、肝心のトーリンのお葬式がなかったのが、びっくりでした。「アーケン石を胸に」(←ここが大事)エレボールの奥底に葬られたはずなんですけど・・・やはりエクステンデッド・バージョンを待つしかないのでしょうか。 そのアーケン石。なんか、ちゃちでした。白く輝く大宝石でなくちゃいけないのですが、ぼんやりした卵形だし、透明な中にピンクや空色の淡い光が散っているところなんか、水入り水晶というか、巨大なレジンというか、夜店のおもちゃみたいでした。あれじゃあトーリンが偽物と疑うのも無理はないかな。 しかし、全体としては映画版ならではのコンパクトさ(2時間半で終わってくれてほっとしました。3時間以上になると、やはり目が疲れます)の割に、戦争場面のスペクタクルのすばらしさは想像以上で、十分楽しむことができました。 ガラドリエル様の本領発揮(さすがノルドールの王族、こわかった!)、くろがね山のダインがファニーなトンカチ(原作ではつるはしmattockなんですけど)を振るい頭突きしまくる勇姿、トーリンが黄金と竜の呪いにさいなまれ葛藤するさま、あるいはなかなか外見もイケてる(娘談)アゾグの冷静な逆襲など、2度目でも飽きない場面がいっぱいです。 「化けミミズ」は中山星香の『妖精国の騎士』にそっくりの怪物がちらと出ていたのを思い出したりしました。 原作に忠実な場面や台詞がたくさんあってうれしかったほかに、原作にはないけれど原作の精神に忠実で、それゆえ私が最も感動したエピソードについて、最後に一言。 それは、ビルボのドングリです。ビヨルンの庭で拾い、帰郷したら冒険の思い出に庭に植えようと思う、とビルボはトーリンにドングリを見せて語ります。その言葉は、スマウグの呪いで硬化してしまったトーリンの心をいっとき和らげ、彼は最期にそのことに触れて息をひきとります。 黄金や宝石に心をかたむけるトーリンとの対照がみごとで、しかもこのドングリは!! のちに本当に大樹に育って、『指輪物語』冒頭および最後で描かれる「ビルボの誕生祝いの木」になるのですね。あとで植えられたマローン樹がサムの木であるように、この木はバギンズ家の象徴として重要だと私は思うのです(拙稿「“一つの指輪”の象徴性」2D†bおよび3B参照)。 ともあれ、これでPJの創るトールキン世界が終わってしまうのがちょっと寂しい気がするほどでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
December 31, 2014 11:47:00 PM
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