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テーマ:懐かしい漫画(123)
カテゴリ:お気に入りコミックス・アニメ
東北大震災と阪神大震災のあと、佐藤史生『夢見る惑星』が無性に頭の中でグルグルして、読みふけっていましたけど(地下鉄サリン事件の時は『ワン・ゼロ』を読み返したものです)、このところの非日常的な日常的不安の日々に、やはり佐藤史生の「羅陵王」(手元にあるのは『天界の城』収録)を読み返してしまいました。
それほど今の状況と似通っているわけでもないのですが、なぜか思いだされるのですね。 羅陵王はもともと中国の伝説で、雅楽「蘭陵王」などで日本にも知られているそうです。戦のとき優しげな美形の顔を恐ろしい仮面で覆ったというのですが、それを佐藤史生はSFに登場させ、双面の神とし、恐ろしい顔を「翠妖」、優しい顔を「黒尉」(翁の能面に黒式尉というのがあります)と呼んでいます。 (以下ネタバレ)そして、その正体は、緑斑病という恐ろしい伝染病を引き起こす微生物。 雅楽や能の知識もすごいですけど、それを、人類の1/7を滅ぼした伝染病に結びつけるという発想がすごい。 で、この微生物の優しい面は何かというと、猛威をふるった伝染病の毒性はやがて弱まって、かかったのに死なずにすんだ人間が不老長寿となり、そこから不老薬が作られるようになったということ。この薬を産する都市では、伝染病の微生物を双面の神と呼び、不老長寿の神女の長は、次のように説明します。 あの小さな生き物たちは 異星からきて 長い試練のあとに ようやく安住の方法を 見つけたのよ だから うまくおりあうと すばらしい共生関係になる その霊妙さに 心うたれて (中略) 神格化した ーー佐藤史生「羅陵王」 「共生」という言葉が、印象に残ります。今般の新型コロナウイルスについても(風邪のウイルスの変異体ですし)、いずれ共生しかないと発言する学者もいるそうです。 もちろん目下のところ、新型ウイルスとの「戦争」のまっただ中で「勝利」せねばならない、と一生懸命思っている大多数の人、私もその1人です。 けれど、次々と変異する新しいウイルスや、環境の激変の脅威が問題になる今日この頃。 他者との共生、自然との共生。このことを忘れてはいけないと思います。 うまくおりあって、すばらしいとまではいかなくとも、無難な共生関係を築けたら。 そこから学ぶものも、あるのではないかと、ふと思うのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
April 15, 2020 12:42:43 AM
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