テーマ:政治について(20112)
カテゴリ:世界を見る切り口
タイ人たちは、すっかり年末のお休みモードだ。
きょうは年末パーティーのピークらしく、 わたしが関わっているある展示施設の工事現場に行ったら、 工程はズリズリ遅れているのに、閑散としている。 ため息。 さて、今年書き残しそこねたことを書き連ねよう。 『文藝春秋』12月号、関岡英之(ひでゆき)さんの 「奪われる日本 米国に蹂躙される医療と保険制度 <年次改革要望書> 米国の日本改造計画」 についての 感想。 米国に対して「甘い」と言われるかもしれないが、 わたしはオープンに要望書を出す米国の姿が異常だとは思わない。 オープンに要望書が出るからには、オープンに反論もでき、議論もできる。 花岡信昭さんの配信誌できょう知ったが、 何のことはない 日本だって米国に対して <年次改革要望書>を出しているらしいのだ。 (実物を電脳網上でサラッとなめただけで、まともに読んでいないので、 「らしいのだ」と書きました。) 以下、花岡さんの配信から引用: ≪実は日本もアメリカに対して膨大な内容の要望書を提出しているのです。 「米国の規制改革及び競争政策に関する日本国政府の要望事項」 というタイトルで、 外務省のホームページで容易に読めます。 つい最近、12月7日にも出されました。 http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/keizai/pdfs/kisei2005_k.pdf これをご覧いただくとお分かりかと思いますが、 貿易、流通、法律、電気通信、情報技術、医療機器、医薬品、金融サービスなど 多岐にわたる日本側の要望が網羅されています。 つまり、日米というのは、 そこまでこまかなことをお互いに要望し合える仲なのだ、 ということです。≫ 関岡さんの論点は、 米国が 日本の国営保険制度ないし公共保険制度を槍玉にあげて (つまり「簡保」廃止の要望をして)、 米国の保険会社の日本参入を政治的ごり押しで実現しようとし、 それによって日本の庶民の暮らしがおびやかされようとしている というもの。 わたしの視点は違うのですね。 外圧によって、という要素が多少ともあるのが残念だが、 とにもかくにもまたひとつ日本の「国営企業解体」を実現できることを、 すなおに喜んでいる。 もし総合商社が国営企業だったら、 米国政府からすさまじい圧力を受けたろう。 しかし、正真正銘の民間企業で、 「総合商社法」といった業界法もなく (「銀行法」はある)、 政府によって口銭率の保護を受けるわけでもなく、 つぶれるときは すなおに つぶれる(安宅産業を見よ)。 総合商社は、 世の中のルールにすなおに従いながら、 自らの存在理由を必死で模索しつづけた。 だから、米国は総合商社という存在に文句をつけないのだ。 それだけの話ではないか。 簡保がなくなることは、 必然的にまず、 日本の民間企業にとってのビジネスチャンスなのだ。 それをまず言えよ。 さて、バンコクの事務所。 オフィスビルの24階でこれを書いているが、 ビルの正面で年末コンサートをやっていて、 R&Bが24階のオフィスの窓まで響きあがってくる。 今夜の夜行便で厳寒の日本へ帰ります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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