テーマ:本と出版について(527)
カテゴリ:読 書 録
24日朝に東京に戻った。
午後、丸善の丸の内本店に行ってみたら、 『中国人に会う前に読もう』が 1階レジ前の中国関連書コーナーに 依然、平積みになっていた。 感謝である。 ことしの名著を買った。 なんといっても、『坂本多加雄(たかお)選集』(藤原書店)である。 第1巻「近代日本精神史」 第2巻「市場と国家」。 平易なことばで、日本の常識の恢復にむけて ペンを武器にしていどんだ教養人。 3年前の、あまりに早かった死がつくづくおしまれる。 本は、哲学書のコーナーに平積みになっていた。 哲学であったか。 『全訳漢辞海 第2版』(三省堂)。 いわゆる「漢文」を「古漢語」という a foreign language としてとらえ、漢語の本質にせまる、携帯1巻本として最高の漢和辞典である。 第1版も愛用していた。 ぜひ机上版を出してほしい。 『中級タイ語総合読本』(白水社)。 まさに自分にぴったりの中級教材。 タイ文化の諸相を話題にした文章が教材。 練習問題も豊富。文句のつけようがない。 タイ語は特殊言語と思っていたが、 ここまでレベルの高い教材を出版できるということは、 学習者の裾野がそうとう広いということだ。 日本人というのは、空恐ろしい。 『現代タイ名詩選』(大学書林)。 タイの現代詩を日本語と対訳にしたもの。 さきほどの「中級タイ語総合読本」もそうだが、 タイ文字がすらすら読めることを前提にした本である。 こんな本が平然として書店の棚に並ぶ日本という国は、 いったいどんな国なんだ。 われわれがごくごく当たり前のように思っている、 日本の高度な出版文化。 ここ1年、タイ国の出版文化のありように触れてきて、 日本の出版文化のレベルの高さに あらためて驚嘆しているこのごろなのであります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[読 書 録] カテゴリの最新記事
|
|