テーマ:政治について(20112)
カテゴリ:世界を見る切り口
『北国新聞』(金沢)1月3日号の社説を開いたら、
≪道州制の行方 「遷都」と同様、夢のまた夢≫ ときた。 『北国新聞』は、昨年秋にも道州制に疑問を呈していて、 これは固い持論のようだ。 要は、「道州政府」が県庁と中央政府の間にもうひとつできるだけで、 官僚組織が増えて効率が低下する弊害のほうが大きかろうというもの。 わたしは基本的に広域行政区設定に賛成なのだが、 さいきん少し悩んでいるのである。 やはり、 「全国一律に道州制施行」という「全国一律」発想そのものに 無理があるのだろうな、と。 たとえばわが故郷の「四国」など、 いまや4県あわせて静岡県とほぼ同じ人口規模。 経済規模を比べたら、四国4県より静岡県のほうがでかい。 こういう四国などは、まとめて広域行政区にしてしまったほうがよい。 逆に、『北国新聞』のある石川県を、 新潟県や長野県とまとめて北陸信越5県の広域行政区に放り込むというのは、 端から端まで距離がありすぎて、まとまり感を欠いてしまう。 たしかに無理があるだろう。 せいぜいまずは 富山・石川・福井の3県でまとまるのが正解。 「県」という単位をいきなり否定するのではなくて、 たとえば県警だけ四国4県で合併して「道州警察」をつくるとか、 県単位で存在するJAを合併させるとか、 そういうプロセスを徐々にすすめてゆくのが、 日本人のスピード感にはいちばん合っているのではないか。 北国新聞社説は、隣県どうしの合併から始めたらどうだ、といっている。 そうだな、と思うのだ。 愛媛県と香川県も、1つの県だったときがある。 島根県と鳥取県など、規模からいっても合併が正解だろう。 北国新聞社説を引用させていただく。 ≪一昨年の地方自治法改正で、都道府県の自主的合併が可能となった。 「小さな県庁」を前提として、 歴史を共有し、地理的にも文化的にも違和感のない隣県同士が、 県民の同意で合併する方が、 お仕着せの道州制よりははるかに現実的である。≫ まことに、まず隣県どうしの合併もできないようでは、 何が道州制か、という正論である。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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