テーマ:政治について(20123)
カテゴリ:世界を見る切り口
1月30日の『北國新聞』(金沢)の社説は、
「偉人伝の映画化 ふるさと教育の新素材に」 と題して、 ふるさとの偉人の伝記を映画化するという課題にふれていた。 (社説本文は、後半に掲げておきます。) 社説で紹介されていた事例は おもに住民運動方式で集めた資金でやりくりするようだが、 まさにこういうことにこそ 行政も遠慮せず わが血税を投入していただきたいものだと思いますね。 「住民側で100のカネを調達したら、 さらに行政側で50のカネを出す」 といった支援であれば、 住民側もスポイルされず、 行政を食い物にしようといった空気をシャットアウトできるのではないか。 モト百姓農民の土建業者がかかわる箱物には 簡単に億単位のカネが流れるけど、 モト百姓農民があずからぬ「映画制作」のようなことには、 なかなかカネが出せない行政。 ソフト作りは、 基本的にすべてが人件費と言っていい。 箱物づくりが、 土地代・資機材代におカネを吸われてしまうのに比べれば、 教育ソフト作りにカネを投入するのは、 景気浮揚の即効効果も高いと思うのですがね。 ソフト産業という新産業への支援 という意味合いもあるし。 次世代を元気づけ、社会の活力を維持するための 教育ソフトの制作に カネを惜しまないでほしい。 では、『北國新聞』社説です。 === ≪「京浜工業地帯の父」と呼ばれる 浅野総一郎(一八四八―一九三〇)の生涯を 川崎市の団体が映画化することになり、 出身地の氷見市民も協力する。 北陸からは明治初期に多くの偉人を輩出している。 青雲の志を抱き、 日本や世界を舞台に活躍したスケールの大きい人生を 分かりやすく再現し、 次代に残していくことは、 様々なメディアを駆使したふるさと教育の中でも 新しい試みとなろう。 伝記出版などと並行して、 映像化時代の子どもたちに郷土の力強い歴史を残したい。 映画化には相当の資金が必要であり、 配給システムも複雑といわれる。 が、その効果は広く大きい。 記録性も強い。 博物館建設に匹敵する文化事業ともいえよう。 北陸が生んだ偉人では、 台湾に渡ってダムを築いた八田與一の テレビドラマ化や戯曲化も進んでいる。 鈴木大拙、高峰譲吉など 世界に知られた郷土出身の偉人の生涯を 再現して見せることも夢ではないだろう。 自治体、企業、地域住民らが協力する今回の映画づくりは、 大きな参考になる。 セメント王と呼ばれる浅野総一郎は 一八七一(明治四)年、 二十四歳で郷里の富山を出て 海運、造船、製鉄など基幹産業を興し、 明治末年には京浜間の埋め立てに乗り出し、 今日の京浜工業地帯と近代産業の基礎を築いた。 川崎市の行政や観光協会、市民団体が 映画化のための会を組織した。 出身地の氷見市でも、 ゆかりの人々が 「郷土の偉人を今の子どもたちに知ってもらいたい」 と支援団体を組織、 一口千円の基金を募るなど、 珍しい運動になっている。 全国で公開する映画にするには、 一億円以上の資金が必要と言われる。 しかし、何より必要なのは 「郷土の偉人」と言われる枠からはみ出すほどの 功績と魅力と世界性を持った人物が ふるさとから育った歴史を知ることである。 石川、富山には 近代日本の背骨と精神構造を築いた偉人が 何人もいるのであり、 その事実にあらためて気づく必要があろう。 子どもたちに 郷土の歴史の世界的スケールを知ってもらいたい。 多くの積み重ねをしてきたふるさと教育の 新しい課題でもある。≫ == もっとも、 社民党や共産党が暗躍して 日教組推薦の映画制作に公的資金を投入する、 なんてことは ぜったいに止めてほしいですがね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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