テーマ:政治について(20126)
カテゴリ:世界を見る切り口
フィリピンでアロヨ大統領が非常事態を宣言したが、
それはいいとしても、 大統領批判の論陣を張ってきた地元紙 The Daily Tribune (デーリー・トリビューン) の本社を令状なしで警察に捜索させたのは、 政権にとって致命傷になるだろう。 なにしろ東南アジア諸国のなかで フィリピンの唯一の取り柄は、 メディアの自由だ。 タイやマレーシアのように首都だけみると先進国っぽく見えるところでも メディアは政権に丸め込まれているのだ。 その点フィリピンは、 マルコス政権を世論の力で倒したという歴史的経緯から メディアはだいじにされてきた。 The Daily Tribune というのは、英文の高級紙。 日本の The Japan Times のようなどうでもいい英字紙とは異なり、 フィリピンでは一流紙は英文なのである。 フィリピノ語(タガログ語)新聞は、まだまだ大衆紙の域。 要は、まったく日本の感覚で 警察当局が突然に読売新聞にずかずか入り込んだという事態だと思えばいい。 いや、それ以上かもしれない。 フィリピン人にとって、自由なメディアは 国を象徴する「誇り」だから。 それに泥を塗って、アロヨおばさんが無傷でいられるはずがない。 この1件、大統領が真摯に謝罪せぬかぎり 政権崩壊へまっしぐらだ。 さて、タイのタクシン首相も下院の解散を発表した。 与党は議席数を都市部で確実に減らすだろうが、 過半数は取れるだろうと誰もが思っている。 ガス抜きはむずかしい。 さあ、タイ人よ、どうする。 何しろタクシン政権は 農村で、 米の買い入れ価格を引き上げて、 国のカネをばらまくことで農村票をまとめてきましたからね。 二昔(ふたむかし)前の自民党政治なのですな。 国じゅうが汚職だらけ。 でもってタクシン首相自身は、 実質的に自分が経営している通信関連会社を 国の施策でもって太らせたあげく、 これをシンガポールに売り払い、 親族に莫大な収入を得させながら タイの税務当局の徴収に応じさせない。 このカネが、今回の下院選挙でバッチリ活きるでしょう。 たとえて言うなら 堀江貴文が首相になって、 ライブドアを国策で太らせたあげく どこか海外の企業に売って、 売却利益を独り占めし たと思えばよろしい。 人民に選挙権があるから、 全体主義独裁政治にならないだけ「まし」とはいえ、 タクシン政治には 社会主義的売国の典型が見えます。 それにしても、 タイ人に、防衛施設庁の官製談合の話をしても、 なかなか理解してもらえないのですな。 タイ人 「定年後の職場を確保するために、 なんて悠長なこと考えずに、 その場で土建会社からカネもらっちゃえばいいじゃん」。 泉 「そんなことひとりでやったら、 同僚から刺されちゃうだろ。 もうこれはこれでひとつの日本式システムになっちゃってるのよ」 タイ人 「??」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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