文春新書『英語学習の極意』著者サイト

「小泉内閣は＜小錦＞で、安倍内閣は＜曙＞だ。
小錦が綱とりをしようというのには凄まじい軋轢があったのに、
曙は、すっと横綱になった。
安倍内閣はそういう感じでゆくだろう」

（近刊『不肖の商社マン語録』より）


並み居る内閣という内閣がひたすら先送りしてきた、憲法改正手続きを定める「国民投票法」。
昨日の衆院の憲法調査特別委で法案が可決されて、今国会の成立は確実。

安倍内閣だけの成果ではないことはもちろんだが、この内閣になって「熟柿がおちる」感じのことが続く。

「防衛省」の成立といい、日本史の教科書に残ることが立て続けに起こる。

「国民投票法案」や「米軍再編法案」の動きを見ていても、やはり＜曙＞現象は確実に存在するのではないか。


偉大なる小泉前首相に国民の脳みそを掻き回しておいてもらった。
そして、一連の郵政民営化法案の成立を通じて、澱（おり）のようにこびりついた体制の垢を新法成立でもって洗い流すことに国民が慣れたのだと思う。

安倍首相が手堅く、威張らない人だから、あまり意識されないが、衆院の３分の２を与党が占めるというこのパワーも、隠然と寄与していることだろう。

参院選を制するために「衆参同時解散の賭けに出るのでは」と憶測をいう評論家も多いが、そこまで弱気になることはない。

衆参同時解散をやったら、参院の自民党議員が数名増えて、衆参過半数確保は間違いないだろうが、
衆院の自民党議員は確実に十数人、下手をすると数十名が討ち死にすると思うがどうか。

その血しぶきを想像するだけの脳みそを自民党がもっているなら、

むしろ
参院の１人区の個々の候補をよくよく点検し、
あくびが出そうなほど旧弊を背負った候補がいれば、民主党はだしの清新な候補に挿（す）げ替えるだけのエネルギーも湧いてくるはずだ。


安倍内閣は、小泉内閣の遺産を十二分に生かして、異化して、活かしきるべきだ。


＝＝
↑　（近刊『不肖の商社マン語録』より）は冗談です。
　　安倍内閣成立のとき、産経新聞政治部から取材があって、しゃべったもの。
　　今でもこのフレーズ、気に入っています。