テーマ:政治について(20118)
カテゴリ:世界を見る切り口
日経の8月10日社説は、おそらく編集委員の伊奈久喜さんが書いたのだろう。
社説にはもったいない(?)名コラムだった。 スパイスがたっぷりついた手のひらで小沢一郎氏をひょいと持ち上げつつ、小沢氏がこのまま調子に乗ったらどういうことになるか考えろと諭(さと)していた。 題して「国際社会は絶頂の小沢氏をどう見るか」。 たしかに絶頂だね、あのひとは。 (絶頂というのは語義からして、長くは続かないものだがね。) シーファー駐日アメリカ大使をさらし者にして待たせたあげく会談をも報道記者への見世物にしてしまった非常識ののぼせぶりを、日経社説は絶妙の皮肉をこめて評する。 ≪私たちメディアは、会談が公開で行われたのを歓迎する。 が、小沢氏はこれまでも、この種の会談をすべて公開してきたのだろうか。 あるいはこれからも公開するのだろうか。私たちはそう希望する。≫ ≪しかし、もしそうではなく、米大使との会談だけが例外だとすれば、米側がそれを外交的に非礼と受け止めるのもまた自然だろう。 こうした扱いをする小沢氏に対し、日本に大使を派遣している諸国の政府はどんな印象を持つだろう。≫ わたしなど、小沢・シーファー会談のニュースを読んだときは 「あぁ、小沢はサルの脳みそだな」 と思ったのだが 「猿め!」と言い浴びせても 猿は自分の名前を呼んでもらえたと喜ぶだけである。 やはりこの日経社説くらい山葵の擦り方を心得ていないといけない。 テロ対策特別措置法に基づく日本海軍によるインド洋での給油対象にパキスタンが含まれているのは知っていたのだけど、これがじつに象徴的意味をもつことも日経社説で教えてもらった。 ≪日本の給油がなければパキスタンはインド洋での警備活動に参加する余裕はないとされる。 イスラム国パキスタンの参加によって、この戦いが「イスラム対その他」の構図になるのを防いでいる点で日本の給油活動は重要とされる。≫ テロ対策特別措置法を延長しないという選択は日本国としてありえないから、参院選後はまずこの件で安倍首相が民主党への反撃に出るものとばかり思っていた。 それこそ8月初めの国会でさっそく対決してくれるかと期待していたのだが、なんともお静かな安倍首相には支持者として極めて不満です。 やっぱりね、闘う姿が票になるんだよ。 人選ミスの閣僚をかばうことにエネルギーを費(つい)やする姿をさんざん見せられた末に、選挙のあともこれでは こんな“エセやさしい”ヒトがここぞというときに頼りになるのかね、と愚痴も出ようというものだから 頼みますよ、安倍総理! 次の試金石は 今さらお呼びでない森喜朗代議士の 「福田康夫・谷垣禎一をつかえ」 という雑音をきっぱり無視できるかどうかでしょう。 で、テロ特措法の行方ですがね。 8月末からの国会に上程し衆議院がいかにスピード審議しても、参議院が完全に横になってしまうと2ヶ月たっぷりこれに取られてしまうから、衆議院の再可決は間にあわない。 えぇい、税金の無駄遣いになるけれど テロ特措法がいったん時間切れになり海上自衛隊が撤収、 その後おくれて衆議院で再可決ののち海上自衛隊が再展開 ということで 民主党の猿の脳みそを国際的にさらしものにするしかないのかな、とコラム子はすでに達観しております。 日経は、参議院で否決したけりゃさっさと否決してくれ、と言っていますな。 つまるところ江田五月議長にかかっているわけですが。 江田五月氏は8月10日の報道各社インタビューで ≪政権交代が日本の議会にとって普通となるために、市民の感覚が通じる国政にするために、参院がどう存るべきかを追求していきたい。≫ と言っておられるので さてさて「市民」とやらが2ヶ月不貞寝(ふてね)する存在なのか 「市民の感覚」というものをとくと学ばせていただこうと思います。 日経8月10日社説の結びにコラム子も賛成。いわく、 ≪民主党が延長反対を貫く場合には、参院で延長法案を早期に否決し、衆院が3分の2で再可決する時間を確保すべきだろう。 そうでなければ、第一院に示された民意よりも第二院のそれが優先する結果になる。≫ 第二院が横暴を発揮するなら、新憲法は教訓を生かして弊を正す措置を講じるのが当然でしょう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Aug 11, 2007 11:36:36 PM
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