カテゴリ:世界を見る切り口
わたしも含めておよそ日本人は円の為替相場といえばまず「米ドル」のレートを考える。
だから、円相場は1ドル100~120円の間でけっこう安定してるなという印象だ。 コラム子の本業も「モノの輸出」に多分に関連している関係上、居心地はよろしい。 しかし最近さすがに今の円相場はどう見ても低すぎると思いはじめた。 「米ドル換算の1人あたりGDP」のランクがあまりに下がってしまった。 たとえばWikipediaの List of countries by GDP (nominal) per capita を見ると、日本は世界20位でアラブ首長国連邦やシンガポールの後塵を拝している。 日本の次の 21位はブルネイだ。イタリアも迫ってきている。 これがわが日本? いくらなんでも実体経済より低い評価ではないか。 弱くなり続けている米ドルに日本円がリンクして価値を下げているうちに、ヨーロッパ諸国をはるか雲の上に仰がねばならなくなった。 米ドルとユーロが一時は「1ドル=1ユーロの時代がくる」と言われたときもあったのに、今や1.46ドル=1ユーロだ。 そういう米ドルに事実上リンクし、しかもここ1~2年は輸出産業も居心地がいい。 地球的にみると、われらの円の価値は下落しすぎだ。 ■ 韓国人が堪えられる相場なら ■ では、どのていどが適正相場なのかということだけど、日本人として納得のゆく比較対象として韓国ウォンを考えることもできるのではないか。 韓国ウォンは、長らく「0.1円(10銭)」の通貨だったのに、いまや「0.12円(12銭)」の価値がある。 韓国経済がとくに強いわけでもない。韓国が「ウォン高」を嘆き狂騒状態にあるわけでもない。 韓国ウォンのあり姿こそ自然体の相場のようだ。 伝統的な相場である 10ウォン=1円 のレベルまで、ぐいっと円の価値を上げてみるとどうなるか考えてみた。 今朝の為替相場は 10ウォン=1.1432円 1ドル=107.5円 1ユーロ=157.47円。 円だけぐいっとシフトして、10ウォン=1円までもってくるとどうなるか。 1ドル= 107.5 ÷ 1.1432 = 94.03 円 1ユーロ= 157.47 ÷ 1.1432 = 137.74円。 1ドル=94円というと「ゲッ! 円高!」と思ってしまうが、今日ただいま韓国人はそういう為替相場で粛々と生きているのだ。 この適正相場(?)まで円を上げたら、たぶん日本の「1人あたりGDP」の世界ランキングも納得のゆく順位になるはずだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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