テーマ:政治について(20110)
カテゴリ:世界を見る切り口
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こんなことはたぶん誰かが既に書いていることだろうけど、日露の領土交渉は 「租借」 期間の交渉に持ち込めればよい。 (もちろん、日本国がロシアに一定期間の租借を認めるという意味。日本がロシアから租借するのではない。) 面積という空間概念ではなく、租借期間という時間概念の交渉に持ち込む。 面積を議論する限り、議論は1か0かのデジタルなものになる。ある地区を日本とロシアが 「共同領有」 するという議論はない。日本の旗を立てるか、ロシアの旗をたてるか、2つに1つである。 非現実的に思えるかもしれないが、じつは現実的なのが、 「ロシアが日本から択捉島や国後島を何年間租借するか」 という時間概念の議論に持ち込むことだと思う。 ■ デジタルな交渉からアナログな交渉へ ■ たとえば 「択捉島(えとろふとう)の北半分を日本がロシアに100年租借させる」 という取り決めが結べたなら、少なくとも日本の領土主権は両国間で確認できる。 ロシアにしてみれば 「100年租借」 ということは “事実上” ロシア領にしたも同然だ。 まぁ、日本との条約なんて、一方的に破棄すりゃいいんだし。その前科もあるしね。 核兵器もあるしね。 日本から経済援助や投資を引き出す必要のある期間だけ “いい子” を演じればいいじゃないか、とウォッカグラスを片手にロシア人たちは盛り上がるだろう。 日本人にしてみれば、「100年租借」 を認めさせるのは譲歩のしすぎだ。 かといって、条約締結、即、領土返還を言い続けても無理だろう。 「50年租借」 か、「30年租借」 か。 議論が1か0かのデジタルなものから、「即時」 と 「100年」 の間のどの辺で折り合うかというアナログなものとなる。 ■ 国有化で国家としての「本気」を示せ ■ 歯舞(はぼまい)群島と色丹島(しこたんとう)島は即時返還。 だが、国後島(くなしりとう)は 「××年の租借」 をロシアに対して認める。 択捉島は、島をいくつかに区切ってそれぞれに租借期間を設定する。 認めたくはないが、たとえばある地区の 「千年租借」 を許すとすれば、事実上はロシア領である。地球上に、千年つづいた国際条約があるのかどうか。 * 重要なのは、北方4島を日本国の法律上、国有化しておくことだ。 日本の総力をあげて領土返還を実現した挙句、半世紀以上前の地主らが突然出てきて 「これって、俺の土地だ」 などと主張されては、国民として はなはだ迷惑なのである。 特別措置法をつくって、潜在する地主らからタダ同然の価格で強制買収しておくのがよい。 領土を本当に返還させたいなら、まずは日本が国家としてそういう基本動作を行うべきだ。それをしないから、「本気じゃないよな」 とナメられる。 ■ 放射性廃棄物の最終処分場につかう ■ 国後島や択捉島の利用価値は何か。 いまこの瞬間いちばん大きいのは、それらの島に伴う領海の漁業権だ。希少価値のある金属資源が出てくれば、これも価値になる。 だが、最大の利用価値は、原子力発電所から出る放射性廃棄物の最終処分場としての利用だ。住民の反対運動のない、無人の広大な国有地。これがあれば、日本の原子力政策はずいぶんとラクになる。 択捉島をロシアに対して 「××年租借」 させ、その一部の地域 (最終処分場にふさわしい地区) を日本国がロシアから 「××年再租借」 するという手もあるのではないか。 ■ 社会のキズにたかる人々…… ■ ぎゃくにいちばん厄介なのが、アイヌ人の末裔(まつえい)たちに土地所有権を主張されること。 社会のクズのような団体が、アイヌ人を組織して霞が関で座り込みをさせる、行政訴訟を起こさせる。それを朝日・毎日・共同通信が熱烈支持する。 みんなが不幸になる、毎度毎度の話だ。 だから、北方4島の法的国有化は 「本気度」 を示す国家としての最初のステップである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
May 2, 2013 07:18:06 AM
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