テーマ:読書(8505)
カテゴリ:読 書 録
『ワニの黄色い目』 『カメのスローワルツ』 そして 『月曜日のリスはさびしい』。早川書房が出してくれた全6冊の和訳本、読みました。
映画化必至のラヴコメディー。 カトリーヌ・パンコール 著、臼井美子 訳 『月曜日のリスはさびしい 上・下』 (早川書房、平成24年刊) 作中の人物にこう言わせているが、まさにそのとおりのことをやっているのがパンコールさんだ。 ≪本当だという印象を与えるためには、細かなことにものすごく気をつけなくちゃいけないんだ。≫ (下・443頁) いろいろ、すてきなことば。 ≪誰かを愛するということは、相手から顔に平手打ちを食らうかもしれないという危険を背負うことだ。≫ (下・233頁) ≪自分の人生に責任を持つのは自分だけだ。失敗しても他人を責めてはいけない。幸せは自分で作り出すものだ。 だが、時には、自分自身がその一番の障碍となることもある。≫ (下・311頁) ≪どのくらいの比率かははっきりわかりませんが、他の人間と一緒に一時間過ごしたら、そのX倍はひとりで過ごす必要があると考えています。 一時間に対して二時間と八分の七時間なのか、それとも七時間と八分の二時間なのかはわかりません。 ですが、かなりの時間であることは確かです。≫ (下・359頁) Richard Prince の Nurse Paintings のシリーズについて言及があり、さっそくグーグルで画像検索した。 マンハッタンの P. J. Clarke’s というお店の描写がすてきだ。 ≪フランクが連れていってくれたのは、三番街と五十五丁目の角にある 「ピー・ジェイ・クラークス」 という店だった。 ニューヨークの老舗店で、一八九八年に建てられたという赤煉瓦の建物の中にあり、最高のチリとハンバーガーを山盛りのポテトと甘いフライドオニオンと一緒に籠に入れて出してくれた。 古いジュークボックスから昔の曲が流れていた。 娘たちはよくブラッシングされた髪を揺らしながら白い歯を見せて笑い、男たちは袖をまくりあげて、大きなグラスでビールを飲んでいた。 テーブルクロスとナプキンは赤いギンガムチェックで、赤いランプシェードが優しい光を店内に投げかけていた。 ここをあたしの行きつけにしよう。オルタンスは心に決めた。≫ (543頁) きっと行きつけになるだろうね。そういう物語である。 ぼくも、行ってみたいね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
May 19, 2013 05:56:44 PM
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