テーマ:読書(8439)
カテゴリ:読 書 録
以下すべて、P. F.ドラッカーから。読後の抜き書きです。
ドラッカーは、スーパーマンになる方法を論じるのではなく、人はスーパーマンにはなれないという前提の上で、個々の分野に秀でた人たちをいかに上手に組織の中に位置づけて、いかに自発性をもって働かせることで成功を得られるか、ということを論じています。 ≪人類の歴史は、いかなる分野においても、豊富にいるのは無能な人のほうであることを示している。われわれはせいぜい、1つの分野に優れた能力をもつ人を組織に入れられるだけである。1つの分やに優れた能力をもつ人といえども、他の分野については並みの能力しかもたない。≫ (37頁) Peter F. Drucker 著 『経営者の条件』 (原著 昭和42年。ダイヤモンド社、平成18年刊) 上田惇生(あつお)訳 ≪したがってわれわれは、1つの重要な分野で強みをもつ人が、その強みをもとに仕事を行えるよう組織をつくることを学ばなければならない。仕事ぶりの向上は、万能な者をリクルートしたり要求水準を上げたりすることによって図れるものではない。それは人間の能力の飛躍ではなく、仕事の方法の改善によって図らなければならない。≫ (38頁) ≪成果をあげるべき者が行っている仕事の膨大な部分は、ほかの人間によっても十分行うことができる。自らが行うべき仕事に取り組むために他の人にできることを任せることは、成果をあげるうえで必要なことである。≫ (61頁) ≪ゼネラリストについての意味ある唯一の定義は、「自らの知識を知識の全領域に正しく位置づけられる人」である。 たとえ複数の専門領域をもっていてもゼネラリストとはいえない。単に、いくつかの専門領域のスペシャリストであるにすぎない。たとえ3つの領域に通じていても、1つにしか通じていない人と同じように偏狭でありうる。 しかし自らの貢献に責任をもつ者は、その狭い専門分野を真の全体に関係づけることができる。≫ (91頁) ≪鉄鋼王アンドリュー・カーネギーが自らの墓碑銘に刻ませた 「おのれよりも優れた者に働いてもらう方法を知る男、ここに眠る」 との言葉ほど大きな自慢はない。≫ (104頁) ≪新しいもののために新しく人を雇うことは危険である。すでに確立され順調に運営されている活動を拡張するには、新しく人を雇い入れることができる。だが新しいものは、実績のある人、ベテランによって始めなければならない。≫ (145頁) ≪1825年頃、もしアメリカに運輸を管轄する省が存在していたならば、今日にいたっても馬の再訓練のための珍妙な研究計画とともに膨大な国家予算で支えられる国有駅馬車が存在していたことはほぼ確実だろう。≫ (147頁) ≪企業が政府に乗っ取られるのは、社会主義によってよりも、むしろ必要な資本を得ることの失敗によってだった。1860年から1920年にかけてヨーロッパの鉄道が政府に乗っ取られた主たる原因も、必要な資本を得ることの失敗にあった。≫ (159頁) ≪知識労働者も経済的な報酬を要求する。だが報酬だけでは十分ではない。知識労働者は機会、達成、自己実現、価値を必要とする。彼らは自らを成果をあげる者にすることによってのみそれらの満足を得ることができる。≫ (227頁) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Jul 25, 2015 01:46:46 PM
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