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カテゴリ:本 ☆☆☆
『鷺と雪』
北村薫 著 内容(「BOOK」データベースより) 帝都に忍び寄る不穏な足音。ルンペン、ブッポウソウ、ドッペルゲンガー…。良家の令嬢・英子の目に、時代はどう映るのか。昭和十一年二月、雪の朝、運命の響きが耳を撃つ―。 お嬢様花村英子とお抱え運転手ベッキーさんのシリーズ3冊目。 「不在の父」「獅子と地下鉄」「鷺と雪」の三篇を収録 昭和初期の帝都の描写、学習院に通う英子さんの浮世離れした日常、そこに持ち込まれてくる小さなミステリー。 昭和10年前後の銀座はやはり華やかな場所で、浅草はちょっといかがわしい(英子さん基準で)場所。地下鉄が走り受験地獄は受験生もその親も悩ませる。 「街の灯」から始まったこのシリーズですが、時代の空気はどんどん暗くなってきてます。 浮世離れした生活を送ってる英子さんもそれを感じずにはいられない。 そして「鷺と雪」 昭和11年の2月です。 これを境に日本はもう誰にも止められない、行き着く処まで行くしかない状況になってしまいます。 英子さんと若き陸軍将校若月の初恋とも呼べない邂逅がとても切なく、ベッキーさんを相手に静かに語る桐原の、事の結末を予想しているかのような落ち着きと怖れが印象的。 このシリーズは図書館で借りたんですが、何度も読み返したいので買ってきます。 鷺と雪 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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