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2009年11月11日
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テーマ:本日の1冊(3692)
カテゴリ:本 ☆☆☆
『最後の願い』
光原百合 著

内容(「BOOK」データベースより)
人気デザイナー・橘修伍の元に、怪しげな男が訪ねて来た。芝居の舞台美術を依頼したいと言うのだ。お話にならない報酬に断る橘だが、そこへ死んだ旧友の妻が訪れる。かつて彼が恋した女性が、冷たい怒りを胸に抱いて…(「最後の言葉は…」)。劇団立ち上げに奔走する青年・度会恭平とその仲間が、謎に満ちた事件を、人の心の不思議を、鮮やかに解き明かしてゆく。



この人の本は「銀の犬」しか読んでないのでファンタジーの作家だと思ってましたが、早とちりだったみたいです。
この「最後の願い」は日常の些細な見過ごしてしまいそうな謎を解くミステリなんですが、北村薫や加納朋子の系譜のミステリ作家かと言えば、それもまだ断言してはいけないような、得体の知れない、と言ってはあまりほめ言葉に聞こえないけど、奥の深さを感じてます。
その理由が「銀の犬」とはまったく違う雰囲気の文体のせい。

同じ作家の本を何冊か読むとストーリーは違ってもその根底にその人らしさ、色と言ってもいいかもしれない個性を感じるんですが、この方は1冊目と2冊目があまりに雰囲気が違ってて、「これ同じ作家?」と思ってしまいました。何冊か読んでるうちに色が分かってくるだろうとは思いますが。



これは劇団員募集中の度会がいろんな人をスカウトして行きながら出会った人の抱えてる謎や悩みやその他あれこれ快刀乱麻のように解き明かしていく連作ミステリです。
人畜無害の青年に見せながら、時折悪魔も逃げ出しそうなほどの危険な美しさを見せる度会。頭が良いのか悪いのか、常識ってものに囚われない風見。出てくるキャラクタが皆魅力的。

これ、シリーズにしても良さそうですよ。



最後の願い





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最終更新日  2009年11月11日 22時11分21秒
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