知り合いのご自宅でスイス土産、「テット・ドゥ・モアン」(フランス語で“修道士の頭”という意味)を頂いた。グリュイエールやエメンタール、ラクレットに並ぶスイスを代表するチーズである。フランス、ジュラ山脈のスイス側「ベルレー修道院」で造られたことから別名で「ベルレーチーズ:Bellelay Cheese」とも呼ぶらしい。1kgで背の高い円筒型。固形中入脂肪分50%。やや粘り気のあり、香りはウオッシュタイプに似ている。このチーズの特徴は、何と言っても専用のジロールと言う器具でバラの花ビラのように薄く美しく削って食べる、ところ。
この器具を使って食べるところにこのチーズの美味しさがある。とにかく白ワインとの相性が抜群。
現在もジュラ山脈一帯で800年に及ぶ伝統の製法が受け継がれている、んだって!今度は自宅で「チーズホンデュ」に挑戦してみようかな。
(参考)
スイスは国土のほとんどが山地。山の中腹に広がる牧草地(アルプ)で、夏の間、牛やヤギを放牧し、保存のきく硬質か半硬質タイプのチーズをつくって長い冬を越える。スイスチーズは最も古い特産品のひとつでもあり、紀元前にはすでにアルプスを越えてイタリアに運ばれていた記録がある程。古代ローマではアルプスの山小屋でつくられるベルクケーゼ(山のチーズ)が「カゼウス・アルピヌス」と呼ばれ、高級品として珍重されていたそう。現在でも、九州と同じくらいの小さな国土ながら生産量が世界のトップ10にあげられるスイスはまさにチーズ王国。アルプス山脈にジュラ山脈という起伏のある地形がうみだす複雑な気候・風土が数百種類にのぼる個性的なチーズをつくり上げている。