続いています。
読んでいる本の覚書です。
◆野菜の皮は捨てると、誰が決めたのですか
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大根の皮をむいている時に、ふと思うわけです。「この皮、どうする?捨てる?」って。自分の体の全てが自分であるように、大根は皮もしっぽも葉っぱも大根そのものなんですから。
それで皮を干して、干し野菜にして、カリッとした食感の炒め物に仕立ててみたりするんです。干した大根の皮なんて、茶色くしなびてカサカサになって、それこそゴミみたいに見えますよ。黙っていたら誰かに捨てられちゃう。「あっ、だめー!」って、私もいつも慌てて止めるんですけれど。そのゴミのように見えるものを、いかにおいしく食べるかを考える。そういうことこそが家庭料理であり、家事というものではないかしら。
干し野菜やマリネ料理のレシピブックを出していますが、あれはつまり、そういう発想からできたもの。
本の形で提案できるのは、ふだんの暮らしの中のほんの一部です。暮らしは切れることなく、延々とつながっていくもの。「流れ」ているもの。
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暮らしを大切にするって、そういうこと。すべてがつながった「流れ」なのです。
つづく・・・