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関本洋司

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2004年11月05日
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テーマ:戦争反対(1190)
カテゴリ:コラム
 ここ数日の日記は基本的に「子供と軍人」(9/25,10/02)を解説及び補足する形で書かれていた。日記のタイトルについた#のあとの様々のタームからの視点に基づいてその解説を試みたのだ。
 さらにプルードンの系列弁証法に倣って考察するなら、これまでの議論は以下の議題における系列(#~)の推移をたどってきた。*に関しては新たに解説をつけた。
 ちなみに(/)の中は互いにアンチノミー、つまり矛盾(二律背反)を形成している。例:(自由/権威)

///////////////////

議論の推移・メモ(10/13の改訂版)

#軍事A
(沖縄の独立/中国脅威論)9/29,10/05
(代弁あるいは報告/代弁、表象の拒否)10/05
(連合/冷戦構造化での米軍の重要性)*一
(非武装/軍事力の必要性)9/30,11/01
 ↓
#政治a
(憲法第9条/日米安保)9/30,10/25.,10/30,11/03
(対アメリカ情報公開要求/アメリカの必要性)*二
(本来の出発点におけるアジア主義/官僚制)10/22
(東北アジア共同の家/アメリカ主導の世界秩序)11/01
(アジア平和条約締結/アジアの軍事的結合)11/02
(人権/憲法「押しつけ」説による人権の否定)10/30
(くじ引き/現行の国連制度)10/23
 ↓
#経済B
(循環型社会への摸索/基地経済への依存)10/05,10/08,10/10
(地域通貨/国民通貨)*三
(琉球時代のようなアジアでの対等交易/グローバリゼーション)09/28,10/08
(ガンジーの言う自立分散的生産/石油等を使った大量生産)10/21
(環日本海のネットワーク/アメリカ依存)10/14
 ↓
#環境・エネルギー問題b
(風力、バイオマスなど持続可能なもの/原発、石油)10/10,10/18
 ↓
#文化C
(反戦映画/好戦映画)10/03,10/29
(憲法9条/改憲論)10/25,10/30
(黒澤の先進性/現実味のない妄想、幻想説)10/11,10/29
(文学作品の有効性/非客観性)10/27,10/28
(開かれた神道/閉じた神道)10/24
 ↓
#心理学、哲学、思想c
(文化/攻撃性)10/16,10/17
(構造的理解/非構造的理解)10/31,11/02
 ↓
#食・生活c
(9パン/大量生産食製品?)10/12*四
(9Tシャツ)11/03
 ↓
#超自我x
(憲法第九条/戦争)10/17

解説:
「質問」としては以下のものがあり、それに対する<回答>も試みられた。

<(if )沖縄の独立>←「沖縄への環境破壊、基地移転、憲法9条無視」
 ↓
「独立の軍事的根拠は?」→<軍事力を棄てることで独立(尊敬を得る)>
「将来はいいとして、今をどうするか」→<代替エネルギーの可能性>
「軍隊とは何か?」→<階級構造把握の必要性(「軍隊=労働者」)>

問題点:
全体的に、国家や近代史における誤った教育を前提にしているので議論が噛み合わなかった。また集合論や階級的把握など初歩的な理論が浸透していないのもその理由の一つだ。
さらに、プルードンの思考を図示↓した以下のような構造的思考が理解されていなかったため、政治a、経済b、生活c(国家A、資本B、文化C)を全体として捉えることがなされなかった(プルードンの場合は、当時の教会権力を反映して、「文化、生活」が「教会、宗教」となっている)。
プルードン四つの交換図(最小)

記号にすれば以下になる(「議論の推移」の議題タイトルに併記した)。
B      A

       ba
C      cx


このような思考に関しては様々な交換の形式として柄谷行人が定本全集でさらに発展させているのでblogでの議論の前提として読んでいただきたい。

解決策:
 アジア全体で教育から変えて行かなくてはならないだろう(モニュメンタルな場所へアジア各国の生徒を招き合うプロジェクトの実行など。11/01『東北アジア共同の家をめざして』参照)。
 地方分権が進んでおらず、地域が活性化されていないので容易に(一例としては国家神道へ無批判に同化してしまうように)国家に同一化してしまう傾向が見られる。
 この傾向はイデオロギーと言うよりある種のイデオローグとさえ言える。
 また、系列弁証法を歴史的に当てはめると、

薩摩/長州
  ↓
 日本

ヨーロッパ諸国
  ↓
 EU  

といった、対立の克服を事例としても考えられ、こうした歴史的認識が求められる。

*一~四注解説:
 アメリカ(*二)の基地に頼った沖縄の経済を見ればわかるように、軍事問題は経済問題だ。しかし、それは日記(11/04)に書いたように何かに反対しているだけでは決して改善されないだろう。
 グローバルな経済の方が儲かると軍産複合体は言うのですから、こちらもオルタナティブナ経済がより豊かなものであることを、指し示さなくてはなりません。
ここでは地域の自治を守る地域通貨(*三)を循環型の食生活(*四)の中で使って行くこと、なおかつそのノウハウを公開して経済的基盤に基づく連合(*一)をつくっていくことが望まれる。
 その意味で11/03で紹介したような憲法9条を軸にしたネットワーク及びアソシエーションに可能性があるだろうし、平和運動を経済的実質を伴ったものにするために市民バンク(10/26)やフエアトレード(11/03)の推進や地域通貨の使用はもはや不可欠でさえある。
 アジアにおける草の根の交流(10/26)もそうした側面から補強され得る。




補足説明:軍隊とは何か?(11/8追記)

軍隊とは
>「軍隊」という一般的な集合の中には aー志願制として成立するもの、
>bー徴兵制として成立するもの、があるとします。
>この二つが部分集合です。そして自衛隊がもし「軍隊」の集合に
>入るためにはbのたいぷになるということでしょう。

上記の書き込みを図解してみました。
志願制、徴兵制、共に問題点があります。

a=志願制の問題点は、自衛隊のように国民の関心が薄くなるということです。
b=徴兵制の問題点は、軍隊の定義が曖昧になるということです(明日、僕が選ばれるかも知れない)。
ただし本当の問題点は他にあります。

階級分離
本当の問題点は、世界的な階級の分化であり、資本家や官僚からは決して前線で闘う人間は選ばれないということだ。この問題を解決するために徴兵制を主張するリベラルもいるが、今のところ無力だし、本質的解決ではない。
下のn個の軍隊を軍隊として固定して考えることは、軍隊を定義するというよりも階級の分離を固定したものとして考えることになってしまいます(ですから彼らはまず、労働者として定義され直すべきです)。




改訂:上記の図の「aとbの問題点」を下記↓に訂正します(11/9)。

aとb





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最終更新日  2004年11月05日 11時05分06秒
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