ようこの部屋

先日同じ通りに住む、舅のいとこの女性が亡くなった。
あまりよく知らない間柄だけど、夫と一緒に近所の教会のお葬式のミサに行くことになった。

11時から始まるので、早起きして、9時の開店と同時にまずデレーズに行き、トイレットペーパーやビール、小麦粉はカルフールで買いたかったので、次にカルフールにも行った。帰ってきたのは10時半。あわてて着替えて、お化粧して、5分前ぎりぎりに教会に到着。

この教会は18世紀にできたのか（中に1759年だったかな、そんな数字が中二階の柵に書いてある）、小さいけどきれいな教会。
お葬式のミサは初めてなので、どうしていいかわからなかったけど、まず入り口にお棺が安置してあるので、その隣にいる人から容器の中の水に浸かっている銀色の棒（先に丸いものがついている）を受け取って、お棺に向かって十字を切る。そして、並んでいる遺族の方々におくやみの挨拶をする。

オランダ語でinnige deelnemingと言うのだが、紙に書いてなんとか覚えておいた。意味は、自分の内側から、あなたの悲しみに共感します、というようなこと。

親戚も多いし、地域でもよく知られた人なので、親戚や近所の人で、教会は埋っていた。神父さんの言っていることは半分もわからないけど、昔理解度ゼロだったころにくらべたらましになっているなぁ。クリスマスのミサの時は、最後のほうに籠を持った人が回ってきて、献金をするけど、このミサは途中でみんな立って、前に置かれたお棺の前でお辞儀をして、神父さんのもつ金の十字架の下のほうを手で押さえ、横にあるお皿に献金をし、自分の席に戻る仕組みだった。わからないので、とりあえず皆のまねをする。

それにしてもいつも思うけど、日本で言う使徒信経とか、皆、普段教会に行かないくせに、ちゃんと何も見ないでぶつぶつつぶやいている。よく覚えているなあ。私もミッションスクールに行ってたのに、使徒信経なんて半分くらいしか覚えていない・・・。

ミサのあとは、近くにある集会所で、サンドイッチや菓子パンをコーヒーなどといただく。

最近はポジティブな気持ちがするので、オランダ語で会話するのも苦にならない。不思議と波のように、オランダ語をまったく話したくないときもあれば、下手なオランダ語でどんどん会話ができるときもある。いやなときは、だれともオランダ語でしゃべりたくないけど、今日みたいな日は、知らない人とでもおしゃべりができる。うちの親戚がいっぱい座っているテーブルに、一組近所の老夫婦がいた。私の隣に座っているので、話さないわけにはいかないので、ひたすら、いろいろ質問をした。なぜか会話もはずみ楽しかった。

ところで、亡くなった人はなんと自分の誕生日に亡くなったのだ・・・。ご主人は本当に気落ちしている感じで、気の毒。子供もいないし、ずーっと二人だけで暮らしてきたのに、ひとりぼっちになってしまったのだ。奥さんは77歳なのだが、ずーっと癌で、ここ一年は病院でなく、自宅で治療していた。77歳はまだ早すぎると思うけど、ある意味、自宅で暖かい晩夏の日に、静かに死んでいくというのは、幸せな死に方だなぁと思う。

ふと、私が先に死んだら夫はどうなるかな、と思った。いつも彼は、私が先に死んだら、自分も死ぬとか言っている・・・。でも家事は苦手な夫だし、気力がないとご飯も食べないので、ほんとに死ぬかも・・・。なんとか一日でも夫より長生きせねば（関白宣言みたい・・・）。