短編詩1
詩と短編をドッキングした物を短編詩と名づけました。これは去年に遊びで書いていたものです。その時は何となく書いてたんだけど今読み返してみると、なかなか面白いなって思ったので載せることにしました★長いけど、よろしかったらお付き合い下さいませ♪<あの人と黄色い小鳥> (05,12,5)図書館の中で私は、あの人のホントをみつけた。私は何も分かっていなかった。分かったようなフリして何もかもコインロッカーに仕舞い込んでた。ロッカーの鍵はすぐ捨ててしまったんだ。だからその中から、一羽の黄色い小鳥が飛び立ったなんて知らなかった。その仲良しの小鳥は私に、笑顔の欠片をくれた。太陽のパズルを見ると1ピースなくなってた。ふと、あの人に電話したくなった。「元気してますか?」とか、他愛も無いこと言ってしまうんだろうな・・・ぶっきらぼうに「元気だよ」と答えるあの人が目に浮かぶ。誰かに貰った啓発本は、こう教えてくれた。「あなたらしく居ていいのです」私はあの人が好きだ。例えあの人が私を透明人間か何かだと思ってたとしても・・・映画のチケットを買おうと、長い列に並んだ。そしたら天使が横入りさせてくれた。キレイな女の人が優しく応対してくれた。きっとあの仲良しの小鳥の変装だ。入り口でチケットを切って貰おうとしても、頑なで切れないらしい。「いたいよ、いたいよ!」なあんだ、今度はチケットになりすましてる。仲良しの小鳥は本当に心配性だ。ようやく席についたら、背後に誰かの気配を感じた。反射的に振り向くと、あの人がいた。「久しぶりだ」そう優しい声を奏でた。私の口からは言葉が出てこない。鍵がかかってしまってて。これは幻なんだ、あの人がここにいるはずがない。私のカラーは白黒になり私の存在は消えそうになってる。すると仲良しのお節介が、またやって来た。「ほっぺに赤味を足して、髪の毛にはも少しツヤを・・・ちょちょいのちょい。あんたはまた消えようとしちゃってさ。弱虫だね、バカげてるね」タダ素直に嬉しそうに微笑めばいいんだ。それができない私は、作り笑顔ばかりドンドン上手くなる。色んな人の心の図書館に忍び込んであらゆる資料を読み漁って、答えを探そうとしている。どうして皆、当たり前に持ってるもの私は持ててないんだろう?私の図書館にはない記録を、記憶をまさぐってる勇気を出して、あの人の図書館へも行った。白々しく仲良しの小鳥ときたら、今度は司書になりすましてる。私の図書館にはない資料を参考にしに来たんだ。それに本当は、もっとあの人の事を知りたくてね。”愛情”という通路を歩いていると、大きな空白の部分があった。あの人の心の欠落の部分。次には見たこともないくらいカラフルな通路。そこには”仮面”と書いてあった。次の通路には私の情報が山のように置いてあった。そこは”好き”と書かれた通路だった。「久しぶりだ」そう言葉を発したあの人を思い出した。優しい声だった。気がつけば、エンドロールが流れる中私は映画館で号泣してて、周りの景色が歪んで見えた。頭を優しく撫でられる感触。「帰ろうか」気がつくとそこには、あの人と子供が1人いた。「ママ、ママ大丈夫?」と叫ぶ。その子はまるで、あの仲良しの小鳥みたいに微笑んだ。