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『かもめの叫びは聞こえない』アン・スミス


『迷路』 キャサリン・コールター


『マーダー・プラン』 J・ケラーマン


『レッド・ライト』 T・J・パーカー


T・ジェファーソン・パーカー 一挙読み


『殺意』 リンダ・フェアスタイン


『ロマンスのR』 スー・グラフトン


『チーム・バチスタの栄光』 海堂尊  


『黄昏の百合の骨』 恩田陸


『家族狩り・5部作』 天童荒太


『麦の海に沈む果実』他 恩田陸


『天使の遊戯』 アンドリュー・テイラー


『天使の背徳』 アンドリュー・テイラー


『天使の鬱屈』 アンドリュー・テイラー


『蛇行する川のほとり』 恩田陸


『GOTH』 乙一


『ハリー・ポッターと謎のプリンス』 


『最後の旋律』 エド・マクベイン


『ZOO』 『失われる物語』 乙一


『追憶のスモールタウン』 R・ワトソン


『エミリーの不在』 ピーター・ロビンソン


『ウィンディ・ストリート』 パレッキー


『夜のピクニック』 恩田陸


『白狐魔記・戦国の雲』 斉藤洋


『No.6 ♯5』 あさのあつこ


『緋色の迷宮』 トーマス・H・クック


『天使と悪魔』 ダン・ブラウン


『ある秘密』 フィリップ・グランベール


『真夜中の青い彼方』 ジョナサン・キング


『ダーティ・サリー』 マイケル・サイモン


『渇いた季節』 ピーター・ロビンソン


『サメのこどもたち』 入り江わに


『よるくま』 酒井駒子


『手紙』 東野圭吾


『姑獲鳥の夏』 京極夏彦


『閉じた本』 ギルバート・アデア


『蒼い闇に抱かれて』 イローナ・ハウス


『邪魅の雫』 京極夏彦


『わたしのなかのあなた』ジョディ・ピコー


『容疑者Xの献身』 東野圭吾


『悪霊だってヘイキ!』 小野不由美


『悪夢の棲む家』 小野不由美


銃とチョコレート 乙一著


『あなたに不利な証拠として』ドラモンド著


『埋葬』 リンダ・フェアスタイン著


『オフィサー・ダウン』 シュヴィーゲル著


『煉獄の丘』ウィリアム・K・クルーガー著


『ぼくと1ルピーの神様』 スワラップ著


『青の炎』 貴志祐介著


天使が震える夜明け P・J・トレイシー著


2010年06月14日
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カテゴリ:小説・海外
記憶四部作で日本でも人気が高いトマス・H・クックの最新作『沼地の記憶』を読みましたので、その感想です。

沼地の記憶

沼地の記憶

価格:860円(税込、送料別)




あらすじはamazonからのコピペ。

教え子エディが悪名高き殺人犯の息子だと知ったとき、悲劇の種はまかれたのだ。
若き高校教師だった私はエディとともに、問題の殺人を調査しはじめた。
それが痛ましい悲劇をもたらすとは夢にも思わずに。
名匠が送り出した犯罪文学の新たなる傑作。
あまりに悲しく、読む者の心を震わせる。

巻末にクックへのインタビューを収録。



記憶四部作と言うのは、『死の記憶』、『夏草の記憶』、『緋色の記憶』、『夜の記憶』を言うのですが、実は原題に“記憶”が入っているのは『死』だけなんですね。
記憶四部作と言う呼び方もたぶん日本だけなんじゃないかなぁ。

で、『沼地の記憶』は『MASTER OF THE DELTA』です。

帯には「あの名作《記憶シリーズ》の哀切と慟哭、ふたたび!」と・・・。

私は、記憶四部作の後の、その趣きを残しているけれど、ラストに希望が見える『心の砕ける音』がクックの中では一番好きです。
ですが、その後の作品はどうも今一の感がありました。

帯の宣伝文句を読むと、やっぱりそう思ってた人って多いのか?とつい思ってしまったり。

せっかくなので記憶四部作に絡めて、感想を書こうと思います。


確かに《記憶シリーズ》の一冊とも言って良い雰囲気の小説です。

主人公・わたしが過去を語ることで話は進む。
当然わたしは何が起こり、顛末がどうなったのかを知っているのですが、それは少しずつ少しずつ、過去の話の進み具合に沿って出されていく。

記憶四部作は心情表現が豊かで、それが哀切に満ちている。
『沼地』もそうです。

父子の物語であるところは『死』、一部展開が『夏草』、そしてグロイところは『夜』のようだと思いながら読んでました。

グロイところですが・・・。

“わたし”は高校の教師で、殺人犯の息子であるエディーの特別クラスを持っている。
そのクラスって言うのが、“悪”がテーマなんですけど、要は過去のおぞましい実話を教え、そこから人間の持つ悪を知る・・・と言うことらしい。

私は日本の高校しか知らないですが、アメリカって、しかも結構な昔でこんな授業が許されていたのか?とリアリティーを感じなくて。

元々勉強に興味が薄い子供たちに、少しでも関心を持たせる為・・・なんですが、実は“わたし”自身が“悪”に取り付かれていると言う事を表しているんでしょうが、私には次から次へと出てくる残酷な話には、作者のあざとさを感じてしまった。
それは前にも他の作品で、ことさらに「泣かされる」事を目的として書かれたような印象に感じたのと同じ種類のもの。

作家だから売れることを目的として書くのは当然ですが、余り表に出すぎると、読んでいてイヤな気持ちになります。
少なくとも、四部作と『心の砕ける音』では感じたことはなかった。


また四部作は“事件”もまた興味をつないで読ませてくれる小説だったし、どんでん返しの、更に先にまたどんでん返しが待っているラストがあったけど、『沼地』はそれが物足りないかな。


“わたし”がどのようにして罪を犯していくのか、その過程を読む小説だと思いました。
その辺りはやっぱりクックだな、と言う感じで、さすが。

恵まれた境遇で育った“わたし”。
自分では意識していないものの、どこかで人を見下している視線の高さがある。
若さゆえの思い上がりもある。

それがエディーの父親の事件を調べていくうちに、徐々に、確固たるものだと思っていた自分の足場が揺らいできて、それに伴い、精神的にも混乱していく。
自らが生徒たちに教えていた“悪”に、自分も落ちていく過程は読み応えがありました。


日本では、四部作は、アメリカでの出版順とは違っていました。
クックが書いた順で四部作を読むと、『心の砕ける音』はその流れの後の、1つの完成形と言う気がしてました。
故に、それ以降、“記憶”のような小説は書かなかったのではないか、と。

『沼地』で結局クックはここに、『心の砕ける音』の前に、戻ったのか・・・などと思ってしまいました。


いろいろ書きましたが、面白かったんですよ。
読み応えのある小説で、これ位の小説ってそうはなかなかないと思います。

ただ四部作(私は『死』は余り好きになれないんですが)、『心の砕ける音』と同レベル・・・とはちょっといかないな、と言うのが私の素直な感想です。






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最終更新日  2010年06月14日 22時35分33秒
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