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カテゴリ:小説・海外
あらすじはamazonからのコピペ。 弁護士の「私」が遭遇した11の異様な“犯罪”。 実際に起こった事件を元に、胸を打つ悲喜劇を描いた圧巻の連作犯罪文学。 数々の文学賞を獲得しベストセラーとなった傑作! 一生愛しつづけると誓った妻を殺めた老医師。 兄を救うため法廷中を騙そうとする犯罪者一家の息子。 羊の目を恐れ、眼球をくり抜き続ける伯爵家の御曹司。 彫像『棘を抜く少年』の棘に取り憑かれた博物館警備員。 エチオピアの寒村を豊かにした、心やさしき銀行強盗。 魔に魅入られ、世界の不条理に翻弄される犯罪者たち。 高名な刑事事件弁護士である著者が現実の事件に材を得て、異様な罪を犯した人間たちの哀しさ、愛おしさを鮮やかに描きあげた珠玉の連作短篇集。 ドイツでの発行部数四十五万部、世界三十二か国で翻訳、クライスト賞はじめ、数々の文学賞を受賞した圧巻の傑作。 この本の紹介文を読んで、ワイドショー的興味で、あるいはショッキングな事件録を期待して手にすると、完全に肩透かしを食う。 犯罪を扱ったとても良い文学です、この『犯罪』は。 語り口は静か。 一つ一つ、犯罪が語られる。 そのどれもが、それを犯したのは人間なのだと描かれる。 過去の人生の分かれ道の違う道を選んだら、それは私だったかもしれない。 未来の人生の分かれ道で、あるいは私はその道をいってしまうかもしれない。 そう思わせる、本当に私であり、あなたであり、あなたの隣である人間たちと同じなのだと思わせる。 たとえば『緑』です。 羊の目を恐れ、眼球をくり抜き続ける伯爵家の御曹司の紹介文の短編。 これがサイコミステリーなら、犯人である伯爵の御曹司は、これでもかと恐ろしい化物として描かれるでしょう。 「これが人間か?」と思うような。 『緑』に出てくる彼に恐ろしさは感じない。 統合失調症である彼は、本当に羊の目を恐れ、666の数字を恐れる、可哀想とすら思わせる少年です。 また会話で知性も感じさせる。 どの短編もそんな風に、人間であることを感じさせる。 こう言う短編集は日本ではまず出てこないだろうなと思った。 海外の小説を読むと、ふいとこんな小説に行き当たる。 だから私はやめられない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012年02月06日 22時48分57秒
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