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カテゴリ:小説・日本
『ぼんくら』シリーズの『おまえさん』を読みました。
これで最後とは本当に寂しい。 あらすじはamazonからのコピペ。 痒み止めの新薬「王疹膏」を売り出していた瓶屋の主人、新兵衛が斬り殺された。本所深川の同心・平四郎は、将来を嘱望される同心の信之輔と調べに乗り出す。検分にやってきた八丁堀の変わり者“ご隠居”源右衛門はその斬り口が少し前に見つかった身元不明の亡骸と同じだと断言する。両者に通じる因縁とは。『ぼんくら』『日暮らし』に続くシリーズ第3作。 父親が殺され、瓶屋を仕切ることになった一人娘の史乃。気丈に振る舞う彼女を信之輔は気にかけていた。一方、新兵衛の奉公先だった生薬問屋の当主から明かされた二十年前の因縁と隠された罪。正は負に通じ、負はころりと正に変わる。平四郎の甥っ子・弓之助は絡まった人間関係を解きほぐすことができるのか。 宮部みゆきさんの時代物が好きです、これも楽しく読みました。 ミステリーとしては今一。 共犯者が犯行を犯すには、それなりの理由が必要だと思うのですよ、この事件の場合。 それが今一つ、描写が足りなかった感があります。 けれどいろんな面で面白い小説にはなっていたと思います。 先ず信之輔が本当の意味での同心となるまでの物語。 ブ男と散々描かれて気の毒にすらなりますが、それが“いい顔”の同心になるまでが描かれてます。 そして女たちの物語。 まぁ、いっぱい女たちが登場します。 おでこちゃんの実母が良いです。 最初は「イヤな女」なんですよ。 ところがページが進むうちに、いっそ清々しささえ感じられる女性として描かれてます。 「柿の実」に例えて違う登場人物たちが表現しているのも良い。 人情物語としてももちろん良いです。 でも『おまえさん』は個人的には何と言ってもキャラで楽しむ小説でした。 もう弓之助のお兄さんの淳三郎が最高。 まさに私の好きなタイプ。(笑 いつかこの兄弟の話を描いて欲しいです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012年02月10日 22時38分23秒
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