施釉
素焼きの次は施釉です。施釉とは、焼き物の表面に釉薬を塗る作業をいいます。では、釉薬とは何でしょう?厳密には違うのでしょうが、釉薬とは焼き物の表面をおおう、あるいは彩る、ガラス質のコートだと思って下さい。釉薬は焼かれる前は粉末状態です。調合された粉末の原料は、水とフノリ、あるいはCMCと呼ばれる科学糊で溶き、液体にして使用します。そして施釉ですが、素焼きされた素地は、温度が低く焼かれているため、吸水性があります。その素地を釉薬の中にくぐらせます。ほんの一秒か二秒くらい。くぐらせる時間が短ければ、釉薬は薄くまたムラになりやすいです。長ければ濃くなりすぎるか、あるいは素地が水を吸いすぎて逆に釉薬が薄くなってしまいます。ノベルティの形態での施釉は、機械化に頼れません。経験と勘の手作業になります。 施釉された素地は、微妙なムラやピンホールを、指や筆を使って修正した後、窯詰めされ、本焼きの火入れを待ちます。 これは私の結婚のお祝いに、友人からいただいたコーヒーカップです。 ノリタケの白磁のイングレです。可愛いデザインを選びました。ありがとうございます。使ってますよ。 これらのカップは、素地の成形、施釉は機械でされます。成形する機械のことを瀬戸や東濃地方ではローラーマシンと言っていますが、これがまた優秀で、品質が非常に安定します。そして安価に出来るようになりました。しかも一台の機械で、一日に5、000個作っちゃうんです。すごい?一日に5、000個、一週間に5日働いて25、000個、一ヶ月20日働いて100,000個。一年で1,200,000個。 一日で5,000個出来ちゃうんですが、同じ値段で少なく作るわけにはいけないのです。数を少なく作ると、値段が高くなっちゃうんです。本当にすごいか?