FPの仕事
最近は夏休み期間ということもあり、正味の仕事よりセミナー講師の依頼が多くなっています。弊社では、金融関係・ハウスメーカー・自治体・一般企業などからのセミナーをお受けしていますが、できればご依頼いただくときにお気をつけ頂きたい点があります。それは、FPは企業のちょうちん持ちではないので、講演内容に制限をつけないでほしいと言うことです。もちろん企業は自社の利益のためにセミナーを開催されると思いますが、時として当方の意見を曲げてまで話さなければならないリクエストが出ることがあります。FPは、顧客の人生上の目標の達成のために、金融・財政上のアドバイスを行なうのが仕事ですが、顧客の利益と企業の利益が相反するときは顧客側に立つことになります。例えば、住宅ローンを組もうとする人の診断をして、とてもじゃないけれどこんなローンを組んだら、将来破綻してしまうというお客様については、こうすれば大丈夫と言う提案を行ないますが、これがハウスメーカーさんには、お気に召さないようで「受注に影響するような話はしないでほしい。」というリクストが出ます。それではどうしてFPを呼んだんですか?ということになります。一部の大手企業では、これからは顧客志向の営業が必要との意識が浸透してきて、是非FPに診断してもらって、無理なお客様と契約しないようにしようという動きも出てきています。「弊社のお客様はFPのお墨付きのお客様ばかりです。」と謳ってブランド力をつけようというわけです。FPは、お金のエキスパートではありますが、営業のツールではないということをよくよく理解していただきたい。(一方で、FPの仕事を放棄してまで、企業からの受注を取ろうとする自称FPも多いのも事実です)