こころに映るよしなしごと

 　仕事で岩木山の麓まで行った。裾野は見渡す限りのりんご畑だった。もうりんごの花の季節は終わっていた。岩木山は山頂付近にまだ残雪があるが、中腹は緑色になっていた。山頂付近に垂れ込めていた雲は去り、全景を現した。山道を入ると、いろいろな鳥の声がした。草や木や風や動物や他の何かの音が混ざり合ったものが体の中を通り過ぎていく。水音に気づいて、山頂から流れてくるちいさなたまりを見つける。音はするが時間が止まった感覚になる。