こころに映るよしなしごと

　台風が来た。人間ドックの日も来た。この日のために往復歩いて通勤してみたり、夕食を極力減らしてみたりしてきた。なんだか試験を受ける受験生のようだ。

　受診場所は、青森市佃にある「元気プラザ」というところ。去年できたばかりとあって、まるで出来立てのホテルのようにすべてが新しい。フロントに若い女性がいてにこやかに問診票と検便を受け取ってくれる。真新しい専用ロッカーでペパーミント色のTシャツとジャージに着替えると、何だか受診者より機能訓練回復士のように見える。昨年までの青森市民病院の病衣で一般外来と一緒に院内を回るのとは大違いだ。胃部検査（バリウムぐるぐる）の担当者以外はすべて女性だった。

　検査後はマッサージチェアーでリラックスしながら無料自動販売機でお茶やらコーヒーやらを飲んで図書館で借りてきた本を読んだ。１１時になるとお弁当が出る。朝食抜きだったのでとても美味しい。お昼はずっと手作り弁当だったので、バライアティがあって美味しかった。
　
　外は強い風と激しい雨が吹きすさんでいるがマッサージーを５回もやって、「猫は知っていた」も半分ほど読んだ。最後に医師と検査技師と管理栄養師から指導を受ける。年々体重が減っていて、お弁当を作ったりしていることをほめられる。記憶の範囲内で最近ほめられたことがない。人間ほめられると嬉しいものだ。

　思わず両手を前に出して手を下げて、舌を出して、後ろ足で立って、ぐるぐる回って、しっぽを振りたくなった。わんわん。