悲しい猫
今日もネットにつなぐ。ひきこもりながらでも人の意見が聞ける場所。いつもみているサイトをまわり、かわいく面白い動物画像などをみてはクスリと笑った。ちょっと探し物をしようとグーグルで検索。――― たくさんのサイトがヒットし、素直に一番上のサイトへとつなぐ。ウェブの素材サイト。サイト作りのために僕はお気に入りの画像を探し始める。と、ふと目に入った。「■特別なお知らせ■」という見出し。その下には とってもショッキングな内容で、最後まで見れないかもしれません‥でも、目をそむけないで‥とっても大切なこと‥皆で考えましょうあなたも是非ここに行ってみてください。 という文字とともに猫の画像のリンク先バナーが張ってあった。画像の上にはDearこげんた。とある。僕はなんだろう?と軽い気持ちでリンク先へ飛んだ。―― リンク先には一つの詩と翼の生えた猫がこちらを見上げていた。詩には前半、捨てられた猫の心情が書かれており、後半はおにいさんに拾い上げられ、おいしいご飯を食べさせてもらったことが書いてあった。けれどもなんで?なんでぼくのしっぽをきったの?なんでぼくのあしをきったの? その後に続くこの文を読んだとき、僕は衝撃を受けた。そして思い出した。巨大掲示板サイト「2ちゃんねる」で公開虐殺された猫のことを。2002年5月6日。深夜23時。「2ちゃんねる」の動物嫌いカテゴリーに「おい!おまえら」というスレッドが立った。立てたのはディルレヴァンガー。猫殺しの張本人である。 スレでは『いいアプろだ教えて下さい。 先ほどキャリアを捕まえました。 』と、バスタブで缶詰の餌を食べて見上げる猫の画像が公開された。キャリアとは、猫のことだった。ディルレヴァンガーは、その後、『とりあえず尻尾と4つ足、どれからいく?』『次はどれ?』と、掲示板で次の虐待方法を募り、虐待画像をインターネット上で公開していったのだ。2枚目紐でつるされる猫の画像。3枚目バスタブの中で丸くなる猫とバスタブの淵に置かれた切られた尻尾と一本の割り箸と波きり板ばさみの画像。4枚目、血みどろのバスタブの中の猫とバスタブの淵に置かれた切られた耳と・・・。5枚目、バスタブで力なくただうずくまるだけの猫のアップの画像。そして、6枚目、目を見開いているが完全に瞳孔が開き、異常なまでに口をあけられ顎をはずされ吊るされた猫とそれと一緒に吊るされた『ぼくは敗北者主義』と書かれたCDの画像。最後の7枚目、バスタブに横たわる猫の死骸と『世界と斗う*黒ムツ諸兄に捧ぐ オスカル・ディル』と書かれた紙の画像。この画像を公開し、猫の死骸を川に捨てに行ったのであった。この掲示板は、7日の朝まで及んだ。サイト[福岡市インターネット猫虐待『こげんた』事件簿]事件のあらましより抜粋(編集)させてもらいました。 僕は当時はこの事件のことを知らなかったのだけれども、あとになって「探偵ファイル」というサイトで事件のことを知って、ショックと悲しみが入り混じったような感覚を受けた覚えがあった。今日偶然にも「Dear,こげんた」のサイトを拝見し*はじめになどを読んでいると、改めてショックと悲しみが沸き起こる。 そして「Dear,こげんた」のトップにある翼の生えた猫の画像をみていると(偶然羽根が生えている)、ロシアで翼の生えた猫が誕生、しかしサタンの使いと恐れた村人によって殺された。というニュースを思い出して余計に悲しくなった。なんて人間は愚かなんだ。人間=愚か俺=人間したがって俺=愚か・・・。誰か僕にも翼をください。■サイト「Dear,こげんた」■本「Dear,こげんた」■翼の生えた猫が殺される ロシア