再会
住宅会社に勤務してるけど 一戸建てはもちろん ビルの一室などの店舗改装なども手がけてる。 「あれください」 「1000円です」 「ありがとうございました」 こういう商売ではなく、設計からお客様との打ち合わせ などを経て折り合えば晴れて契約となり工事が始まる。 自分は社内でのデスクワークの仕事がメインなんで 現場作業とかなく打ち合わせもお客様が来社せずに 現地で済ませるとなれば 最初から最後まで、お客様の顔も知らずにおわるってこともある。 3月から始まった喫茶店の改修工事。 このお客様は1度も来社せずに担当が現地に出向いて商談。 晴れて契約となり今日引き渡し。 店のオープンは少し先になる。 ということでお客様の名前は知ってたけど 会う事はなかった。 Hさんという人だったけど 下の名前がMさん。 ん? M? 同じ名前の人は全国津々浦々にいるだろうけど この漢字でその名前の人はそうはいないかなと。 確か高校2~3年の時に同じクラスだった 旧姓Sさんと同じ名前やなぁ。 会わないけど、電話連絡で話したことは何度かあった。 ちと年上の人かなぁ。そんな感じ。 旧姓Sさんではないかな。 工事も終わり引渡し。 残金も払っていただかなければならない。 午前中、社長が出向いて 引渡書と請求書を持って行ったのだが不在。 午後は社長も別の仕事があったんで 自分が夕方に行くことになった。 旧姓Sさんかどうか確かめれるな時間より若干早くついて インターホンで卓球。 あいや・・・ ピンポ~ン。 出てきたHさん。 う~ん・・・。 約20年ぶりやし・・・。 やっぱ別人かな・・・。 事前に社長の代理で行くと電話連絡は入れてたけど 「株式会社Mのよっしーです。社長が来れなくて申し訳ありません。」 引渡書を渡して署名と捺印をいただき 残金を集金。 終始ビジネスモードで。 一連の作業が終わり帰り際の挨拶。 で、付け加えて よっしー「全然関係ない話なんですけど・・・。 Hさんて旧姓Sさんですか?」 少し怪訝そうにHさん「はい。そうですけど・・・」 よっしー「高校は○○高校ですか」 Hさん「はい。そうですけど・・・」 間違いない旧姓Sさんやよっしー「同じクラスだったよっしーです」 Hさん「え~~~~~~よっしー君」 「変わってしまってるやん 成人式の夜の同窓会の時も変わってしまってるって印象やったけど」 よっしー「そそ 陸上競技引退して○キロ太ったもんなぁ。 気付いてくれる人は気付いてくれるけどほとんどの人は会っても気付いてくれんわ」 ビジネスモードがイッキに崩れて懐かしい人の名前がわんさかと出て近況の交換合戦 いや・・・。旧姓Sさんの一方通行やったかな旧姓Sさんと仲の良かったTさんやUさんやYさんも オープンすれば店を見に来たいとか よっしー「今度客になって来るわ」 こう行って店を出た。 旧姓Sさんとは2年間同じクラスだったものの ほとんど話した記憶がない。 けど成人式の夜の同窓会でたまたま斜め向かいに座って その時はよく話したけどそれっきり。 そういえばお互いタバコ吸ってて 「それどんな味」とタバコ交換して 間接キスしたなぁ やっぱ卒業して何年も経って久々に会って話すと 在学中に親しかったかそうでなかったこと関係なしに 結構話が弾むもんやな 特に話した記憶もなく好意も持ってなかった 旧姓Sさんとのこのような形での再会。 久々に高校時代に戻ったような錯覚におちいった ほんのわずかな時間。 なんかむっちゃ嬉しかったなぁ