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2009.06.21
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例の「女子差別撤廃条約選択議定書批准問題」から発して、
児童ポルノ規制や陵辱シュミレーションゲーム告発問題について調べ始めた。
いろいろ興味深い記事もあるのだけど、不思議なのは、
「女子差別撤廃条約選択議定書批准」に対して、緊急アピールを出した「家族の絆を守る会」系の保守系グループが、どう考えたって「児童ポルノ規制」に反対する側にはならないだろ、と思えるのに、そこにのっかっていく人の多くは、「児童ポルノ法改正反対」の立場にあるってこと。たしかに、「家族の絆を守る会」は正面きって「児童ポルノ規制」を主張しているわけじゃないから「無害」に見えるのかもしれない。敵の敵は味方ってやつかな。
でも、「伝統的な家族」や「健全な男女関係」、「過激な性教育批判」の主張からすれば、「児童ポルノ」はとんでもないはずだし、メディアの性表現規制にも親和性が高いはずなんだけどね。フェミニズム批判の文脈があるからとのっかってって後から後悔しても知らないよ…


たくさんある「規制反対」を表明するブログ記事の中には面白いものがいろいろあるのだけど、コメントやはてなブックマークを読んでいると、「僕の大事なおもちゃをとりあげるなんてひどい!」という以上の主張が読み取れないようなものがけっこうある。ま、これは私自身のバイヤスが入っているからではあるけれども。
で、それが勢いで女性に対してのヘイト・スピーチや性暴力被害者への暴言になってたりするのが嫌。

それでも、私はやっぱり「法規制」には反対する。
ポルノに「性差別表現が無いから反対」というわけでは絶対にない!
でも、「法規制」の方向に動くことは断固として反対する。
なぜなら、ポルノを「法規制」したところで、「性差別解消」にはあまり役に立たないから。
…「あまり」と書いちゃうところが日和見主義…こういう問題がまともに議論されること自体には賛成ということなんだけどね。

ポルノ批判の中心には、社会規範の維持を意図する強固な「性規範」「性道徳」がある。
だから、山谷えり子女史なんかが強く主張するわけだし、同調する保守系国会議員も多い。
で、その「性規範」「性道徳」の中にはすでに「女性差別的」な価値が入ってしまっているわけで、そこにそのまま同調するわけにはいかない。

けれども、ポルノに描かれる「女性像」あるいは「性関係」にある「差別性」は確かにあると思う。そしてその「女性像」を現実の女性に投影されるのは嫌。

でも、一方で、ポルノの表現に先鋭的に現れている「女性像」や「性関係」は、何もポルノだけでなく、様々な文化・表現物にも共有化され、その文化の中で生きている私の内面にも染み渡っている。反目し合っているポルノ表現と「性規範」「性道徳」は実は表裏一体なんだとも思う。だから、自分自身を否定せず、けれども、そこに刻み込まれた「性差別的文化」をいかにして脱することができるか。



それが、私にとってのフェミニズムなんだけどなぁ。






そんなことを考えながらの検索で、同世代のフェミニスト、藤本由香里さんのインタビューを見つけました。

◆藤本由香里「少女マンガのセクシュアリティ ~レ●プからメイドへ~」(前半)
2001年9月1日
http://www.tinami.com/x/interview/10/

◆藤本由香里「少女マンガのセクシュアリティ ~レ●プからメイドへ~」(後半)
2001年10月2日
http://www.tinami.com/x/interview/11/


少女漫画の性表現、性暴力表現(レ●プが使えないから)の出現と変遷を追って話が展開されるインタビューです。70年代の少女漫画が性をどのように描き、読者がどのように受け止めていたのか、身のうちに刻み込まれた「性規範」を読み解くのにちょっと参考になりました。


もっとも、私の記憶に鮮明に残っているのは、このインタビューには出てきていない少女漫画なんですけどね。和田慎二の「愛と死の砂時計」とか「バラの追跡」とか、竹宮恵子だったら「ファラオの墓」、大島弓子の「いちご物語」も。


掲載されているHPは、
↓<TINAMI アニメ・マンガ系のクリエイターの総合情報サイト>
http://www.tinami.com/

ここの<TINAMIXアーカイヴ>から、<TINAMIXインタビュー>へとたどっていくといきつくことができます。






そういえば、昨日・今日とこんな催しがあったのでした。


<日本マンガ学会 第9回大会
  「大学でマンガ!?」 ~研究発表とシンポジウム~>
   2009年6月20日 21日 
   東京工芸大学 中野キャンパス 芸術情報館
↓ 
http://www.kyoto-seika.ac.jp/hyogen/manga-gakkai/katudou/taikai/2009taikai/index.html


 上にご紹介したHPの情報によると、本日のシンポジウムはなかなか豪華です。
 ちなみに司会は藤本由香里さんです。
 で、参加費が一般1000円、学生500円って・・・
 学会にしたらずいぶんリーズナブルなお値段だなぁ・・・


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Last updated  2009.06.21 17:30:32
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