テーマ:DVD映画鑑賞(14219)
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1862年~1918年 グスタフ・クリムト(Gustav Klimt) 帝政オーストリア時代の象徴主義の画家の生涯をたどった映画です。 ジョン・マルコヴィッチ/クリムト デラックス版 クリムトの絵は、金箔をつかった華やかな色彩、 同時に、非合理をテーマにした複雑さ、 言葉にいえない感じがすきで、 私のお気に入りの画家の一人です。 ギリシア神話の女神、エロス、着物をはじめとした東洋系のセンス。 そのクリムトの映画ですが、内容は ・・・うーん。 なんとなくアマデウスを連想。 表現の自由のない時代、ウィーン分離派の初代会長としての エピソードは映画の中では一切なく、 幻想と女を追いかける男の一生、という感じ。 子供30人作って梅毒死… 映画の中でも、「梅毒病はよくある病気です」と 医者にコメントされているシーンがあります・・・。 こわ。 風俗はお盛んで、 この映画の中の人々の会話が本当なら、 まちなか、私生児だらけでしょう・・・。 映画はいまいちでしたが、 せっかくなので、今日はクリムトワールドをご紹介します。 「愛」(1895) 「医学(習作)」(1898) 「歓喜」(1902) 「人生の三段階」(1905) 「接吻」(1907-1908) 「希望」(1907) 「母と子」 「水蛇」(1907) 「ダナエ」(1908) 「ユディト」(1909) 「アデーレ・ブロッホ・バウアー(1907) 「生命の木」(壁画下絵)(1911) 「アッター湖畔のウンターラッハの山腹の森」(1917) 「アッター湖の島」(1901) 「けしの咲く野」(1907) 「ひまわりの咲く農家の庭」 「白樺のある風景」 私はとくにクリムトの風景画が好きです。 繊細で、癒されます。 「希望」と「ダナエ」もとても好きです。 ダナエは、有名なギリシャ神話をテーマにしています -------------------------------------------------------------- 王女ダナエは、「やげて生む子供が父王(子からみた祖父)を殺す」と いう悲劇の神託のために、父であるアルゴス王アクリシオスによって 青銅の塔に閉じ込められてしまいます。 しかし、美しいダナエはゼウス神の目にとまり、 ゼウスは黄金の雨になって塔に入りダナエと交わります。 (クリムトの絵がそのシーンです)。 そうして生まれたダナエの子が後の英雄ペルセウスです。 父アクシオス王は母子を殺すことは出来ず海に流し、漂流する箱船は セリポス島に辿り着きます。 そして、成長した息子ペルセウスの競技で投げた円盤が祖父に当たり、 神託が果たされる事になります。・・・ -------------------------------------------------------------- この神ゼウスによるダナエの懐胎は、後に聖母マリアの受胎告知の 予型ともいわれている有名な神話です。 監禁されているにもかかわらず穏やかで愛らしい微笑み。 クリムト以外にも多くの画家がこの神話、ダナエのことを描いていますが、 このクリムトの絵は 言葉でいいあらわせませんね。 彼独自の女性像の美の世界観だと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008/12/27 06:44:35 PM
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