|
カテゴリ:井出崎小百合(オープンハウス童楽)
次世代育成支援協働フォーラムを終えた後
山口県内の子育て支援者の方たちとMLを立ち上げ 情報交換をしています。 そのMLの中で私が下記のようなメールの書き込みをしたところ 県立大学の看護学部の先生が「やはり医療の現状については 私もほっておくことはできないわ」と声を上げてくださって 「山口で『小児医療を考える会』を立ち上げましょう」 と言ってくださいました。 一緒にフォーラムのシンポジウムで登壇して下さった県の 健康福祉部の今村部長にもそのことをお伝えすると 「それはすばらしいわ」と次の日には 兵庫県丹波市で地域医療を再生させた母親たちの 取り組みを紹介した新聞の切り抜きをくださって 「協力できることはしましょうね」と言ってくださいました。 広島の福山や呉でも医師との座談会が行われているようです。 相手を攻撃するだけでなく また、医師と話ができるからと ただの出張相談にならないように よりいい形での医療を考えていく場にするために 全国各地で行われている医療につての取り組み 教えていただけると嬉しいです。 『週末マイケル・ムーアの「シッコ」という映画を見に行きました。 その午後「医療崩壊をおこさせないために」という市民講座を聞きに行き 次の日、朝から産婦人科医不足についてのテレビ討論を見て その夜小田実さんの追悼番組を見ました。 このつながりは単なる偶然だったのですが 「シッコ」と小田実さんの遺す言葉がつながった時には ちょっと背筋が冷たくなったりして。 あちこちで医療崩壊がいわれています。 山口の産婦人科も里帰りの受け入れはほとんどの病院でできなくなり 出産の予約も月何件までとの制約がかけられています。 小児科も勤務医は減る一方。 医師会はこの状態になったのは 患者側の自業自得だといわんばかりの 文章を出したりもしました。 お互いいいたいこと言いっぱなしでもなと 思っていましたが、医師会側も現状を どうやって理解してもらい行動に変えてもらえるか 模索中であることがわかります。 市民講座では、勤務医や開業医、そして、医師達の働く現状が報告されました。 コンビニのように病院を使うとか、大した病気でもないのに 医療費が無料(いえ、みんなのお金です)だからと言って いつでもどんな時でも「とりあえず」病院に駆け込む親や 権利意識ばかりが強くて 何かあったら訴えてやると吐き捨てるように帰っていく親の 現状が話されました。 こういう話ってよく耳にします。でも、その親たちの生活、 現状はなかなか聞こえてきません。 例えば子供の病気のことを働く現場で、どれほど理解されているのでしょう? 夫婦で働く親たちにとって、一晩で熱を下げて明日の朝にはとりあえず 36度台になっていてもらわないと困る現状があって、 そんな中で、夜中に利用するのは身勝手な親だと言われても・・・ という気がします。 例えば、現代の親たちは、 「不安を抱えて一晩過ごす力」に欠けていると言われました。 欠けているでしょう。だって、こんなに小さな赤ちゃんが高い熱で 真っ赤になっているのを見たこともないし、 マスコミから流される報道は極端に恐怖をあおることばかりだし、 それに、病気なんて、もう私達の身の回りにそれほどないし、 それにそれに、親になるまでに 「命にかかわるかもしれないような不安を抱える」ことなんて 今の時代とても幸せなことに体験することなんてないですよ。 それなのに、親になったとたんに、 我慢が足りないと言われても・・・ という気がします。 そして、もうひとつ見逃せない現状として 親たちの必要以上の清潔志向や病気への忌避です。 いま、子供が病気にかかったら 親たちの一番の関心事は 「どこで」「だれに」もらったか。 もし感染しているのを知っていて(?)とか、 感染しているかもしれないのに それを黙って遊んだりすると、その子が発症した時に とんでもなくマナーの悪い親のように批判されるようです。 場所でもそうです。「あそこの児童センターでうつされた」 「あそこの広場でうつされた。だからもう行かない」というような そんな会話をよく聞きます。 乳幼児の死亡率を減らすために、皆が衛生的で健康な生活が 送れるためにと医学は発展してきたのでしょうが その振り子がぶんっとゆきすぎて、 こんな窮屈な環境になってしまっています。 邪念のない願いも行動も時として 予想もつかないような振れ方をします。 山口では医師会側が積極的に市民へ、医療現場への理解や 病気への知識をもってもらうための講座が増えてきました。 現場の先生方の中には親たちの「不安を抱えて一晩過ごす力」を育てるために 病院に行ったらとりあえず抗生剤をもらって安心ではなくて 大丈夫と診断したら薬も出さず、注意事項だけ伝えて 帰らせることをし始めた医師の方もいらっしゃいました。 市民講座の会場の意見として一番に手を挙げた産婦人科の先生の 「私たちは今まで医療をしてきた。 目の前の患者さんを治すことに一生懸命医療を 行ってきたが、医療制度について考えてこともなかった。 それは医師会が考えてくれるものと思っていたら、 とんでもないことになっていた」との言葉は ほんとに考えさせられました。 医師も患者側も安心して暮らせる世の中になるように 何を伝え、何を引き受けていくのか、 地域に出て手をつなごうとし始めた医師の人たちと 知恵を出し合っていけたらと思います。』 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[井出崎小百合(オープンハウス童楽)] カテゴリの最新記事
|
|