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カテゴリ:月末男☆西川正(ハンズオン埼玉)
すみません、あっという間の月初め。
名ばかり月末男。 あいかわらず、年度末も終わってない男。 GW、みなさまいかがおすごしでせうか。 滋賀の実家に田植えに来ております。 まだ前年度仕事かかえつつ(泣) ●最近、お座敷(講師やファシリなどお声をかけていただいて出かける仕事)などで、よく日本の子どもの孤立と自信のなさがあまりにも諸外国にくらべて突出しているというデータを引用して、「どうしたらいいでしょうか?」と問いかけたりします。もう有名になってきましたよね。 で、関連して『格差社会という不幸』(神保哲生・宮台真司ほか著 春秋社)のご紹介。 まえがきがとてもよくまとまっていて、頭の整理に最適。 少し長くなりますが、下記、一部ご紹介。 ーーーーーーーーーーーーーーーーー 自殺率は、英国の三倍、米国の二倍、西側先進国でダントツの1位。単に経済の沈下が理由とは言えない。国民一人当たりGDPは2000年代初頭段階で2位か3位なのに、自殺率は既に先進国で突出した第1位だった。 公的支出に占める教育費の割合は、他の先進国が5%台で日本は3.5%。子育て支援費が公的支出に占める割合は、他の先進国が3%台半ばで、日本は1.3%。現行世代が次世代の育成を──子々孫々の育成を──これほど気づかわない国はない。 就業時間はヨーロッパ1400時間前後。アメリカが1700時間台。日本はサービス残業をのぞいて1900時間台。サービス残業含めると2200時間前後とされる。ひと月で50時間以上多く、労働日20日として一日に通勤時間含めて三時間多い。 これでは家族や地域やNPO等への社会参加の契機が削られ、そのぶん社会成員は互いに切り離されて相互扶助が薄っぺらくなり、人々は社会的に孤立する。つまり、多少経済的につまづいたり離婚したりした程度で、幸せに生きられなくなる。 その意味で、昨今話題の「ワーク・ライフ・バランス」が趣味の時間を増やすことだと誤解されがちだが、本質は「経済を回す」ための時間を減らして「社会を回す」ための時間を増やすことにある。こうした誤解が蔓延するのは日本だけだ。 ーーーーーーーーーーー ここで時間といってるのも示唆的。 『モモ』ですね。 日本は毎月GWをやったほうがいいんじゃないだろうか。 もしやったとしても、それなりにまわってしまったりするんじゃないですかね。 本文からも少し ーーーーーーーーーーーー (「経済を回すのに社会を犠牲に」してきたのが日本の社会だが) 「経済がよかったあいだは、社会の穴が経済で埋められる」けれど、「経済が悪くなると、社会の穴」が露呈することになる。 (中略) この「社会の穴」を埋めてきたのが、先にも触れた政府のばらまき=公共事業です。 (中略) いまや公的借金は天文学的数字で、公共事業が不可能になりました。それが「地方切り捨て」と呼ばれる。 「社会の穴」を「何かで埋める」やり方はもう無理。「社会の穴をなくす」のが重要です。 ーーーーーーーーーーーー この本、マル激トーク・オン・ディマンド http://www.videonews.com/on-demand/ というネットの番組からできている本で、湯浅誠さん、堤未果さん、本田由紀さん、斎藤貴男さんなど、そうそうたるメンバーによる対談番組の単行本。 最近の社会起業家やソーシャルビジネス、コミュニティビジネスなどの言葉の意味するものは、たぶん、社会を消費する(こわす)のではなく、つくる経済とは何かということなのでしょう。 では「社会とは何か」は議論がわかれるかもしれませんが、少なくとも経済より上位概念であることは、もうちょっと共有されていいような気がします。 いったい、どちらが道具なのか、と。 ●とまあ、GWでいい天気なのに暗い話でごめんなさい。 申し訳ないので、先日読んだ記事でとってもうれしかったものを一つご紹介。 お読みになった方も多いかと思いますが。 http://www.asahi.com/special/hug/TKY201004190221.html こんな出会いがあったらいいですね。 ちょっと暖まります。 常々「たまたま居合わせた人が、居合わせてよかったと思える場をどうつくるか」をテーマにしている私としては、ってもうれしい記事でした。保育所の保護者会もずっとそんな気持ちでやってきたんです。たまたまこのまちに住んだ、たまたま同じ山に登った……。この社会も同じ。たまたま同時代に居合わせて、出会えたことがよかったと思える、そんな場にしたいと思います。 ●電車といえば、ここで一曲。 中島みゆきの『帰省』という歌もいい歌です。 http://www.youtube.com/watch?v=P0FlxUdhEvA 歌詞はこちら http://music.goo.ne.jp/lyric/LYRUTND54427/index.html 田舎出身のわたしとしては、田舎の人がそんなにいい人ばかりかというと、むしろ「路上の人をほっておいたら、自分がおこられる」という意味もあるなと思いますが、それをさしひいても、ちょっと、ぐっときます。 この歌、3年ほど前に、保育所関係のシンポジウムにださせてもらったときに、同じくシンポジストだった保育所の園長先生がアカペラでうたってくださいました。ご自分が園長をされている保育所を、こんな場所に、したいとおっしゃってました。 ●湯浅誠さんといえば「溜め」で有名ですが、 私は、世の中にもっと「遊び」(一見、やくにたたないようで、実はそれがないと成り立たないもの。ハンドルの遊び、建築物の遊び)が必要だと思っています。たぶん、同じような意味合いだなと思いました。(上記の本で宮台さんは「バッファ」と読んでいました) さて、「溜め」がたまるかどうかを基準に社会や経済の動きを見ていくとしたら、ベーシックインカムや子ども手当はどう見えるでしょうか。 ーーーーーーーーーーーーーー 4つ葉プロジェクト+ 第4回子育て政策研究会 こども手当と子どもの貧困 ~こども手当からベーシックインカムを考える~ http://yotuba-project.net/kenkyukai04.html ーーーーーーーーーーーーーー に、素人代表?として出演させていただきます。ベーシックインカムを好きな方も嫌いな方も好きか嫌いかわからん方もぜひいらしてください。 出演者の堅田香緒里さんのお考えをお読みになりたい方はこちらおすすめ。 We164号(2010年2・3月号) 特集:つながりのなかで安心して生きる 【インタビュー】堅田香緒里さん ベーシック・インカムに女性の視点を http://femixwe.cart.fc2.com/ca10/58/p-r10-s/ うっ、子どもが起きてきた。 タイムアウト。 今日は実家のたんぼの田植えです。 夜はたんぼで竹灯籠でもするか。 ではでは 今月もみなさんにとってよい月になりますように。 (今月こそ??) 毎回長い記事ですみませんm(_ _)m お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
May 2, 2010 06:25:30 AM
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