あーーあ、
怒られちった。
看護部長に、
怒られちった。
あーーーあ、と。
「聞いてる?」
はい?
「わたくしの話、聞いてますか?」
いちおー。
一昨日の夜勤の時さ。
忘れかけてた夜勤の話さ。
「今から救急入りま~す」
うげ?
ってか、何時、今?
「はい、夜中の2時ですねー、変なのがきますよ、また」
5分後、救急車到着。
歩いてきちゃむ?
独歩できちゃむ?
普通は、ストレッチャーやろが。
「どうされたんすかね?」
明らかに、あっきらかに、
あたしも、救急隊員も、事務当直も、
状態。
ナゲヤリな救急隊員 「えー、昨日から食事が食べれず、先ほど1時に、
嘔気、腹痛を感じて救急要請されました、バイタル安定」
ナゲヤリなあたし 「で、既往わ?」←なんか、他の病気があるか聞く。
ナゲヤリな救急隊員 「近くの小沢心療内科にかかったはりますわ」
ナゲヤリなあたし 「へ?プシ?」←プシとは精神的に危ない人のこと。
そこにやってきたのが当直医、これまたナゲヤリ。
「なんなん?何を言うてるん?
ちゅうか、この患者、元気やん、僕よか元気やん」
来た限りはなんらかの治療ですよ。
点滴オーダーが出て、針を刺す寸前に、
「針、痛いーーーー! 点滴、いやーーー!」
一緒にきたダンナに、
「抑えてくれますか?」って、
ダンナ、ボーーっ、と見てるだけ。
すなわち、様子観察してるだけ。
ドクターもオーダー出したら医局に戻り、
処置室にいるのは、このプシさんと、プシさんのダンナと、あたし。
言うてやりました。
救急車ちゅうのは、ホンマに重態な人が使うんですよ。
これだけ大声出して、暴れれるんやったら、
今日やなくてもよかったでしょうが。
あーーあ、言うてもうた。
言うてしもたわー。
この口がまた悪戯をしてしもた。
で、看護部長に抗議の電話があったそう。
「あの、看護師、やめさせろーーー!
医療費のムダ使いしやがってーー、
税金泥棒めがーーーーーーっ!」
その言葉、きっちり、みっちり、
バレンタインチョコの可愛いボックスに入れて、
可愛い、このうえなく可愛いピンクのリボンで、
おまいに、やるよ。