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カテゴリ:カリブ海への旅
マニュエルアントニオの朝はまさに心地よい朝というのを絵に描いたような、快晴でこれからの大移動の不安を少し軽いものにしてくれた。
まずサンホセまで4時間弱、ここは来た時に通ってきた道なので、不安はない。 しかし、まず第一の不安は昨日バスのチケットを近くの街で購入したのだが、バスが出るのがその町からではなく、ここ国立公園の入り口の街のようだ。 じゃあチケットをこの街で売ってればいいのに!でも待てよと、そんな効率の悪いことするのかな? 本当にこの街からバスが出るのかと不安になってきた。 もし仮にこの街から出ないでチケットを買った町から出るとすると、バスに乗り遅れてしまい確実に今日中にコルコバード国立公園には着けなくなる。 昨日チケット売り場を聞いたホテルの受付のお兄ちゃんに再度聞いてみて、ここから出るとのこと でも本当にここから出るのか? コスタリカ人のラテン気質の適当さに慣れはじめている僕は疑り深くなっていた。 そう日本以外の国はだいたい適当な国が多くて結局は自分の頭で考えたり、自分で責任をとらないといけない、人まかせにしてはいけない文化なのでこういう習慣が身についてしまう。 この後の旅でもこの習慣に何度となく助けられたが、この時は大丈夫だった。 兄ちゃんありがとう! バスは時間よりも早く来てその場所では僕らのみを乗せ、スムーズにサンホセまで向かった。 ここまでは順調順調! よし次はコルコバードまでの分岐点になる街パルマルノルテに向かうバスターミナルへGO! GO!と勢いよくバスターミナルに向かうべくタクシーに乗り込もうとしたら、タクシーの運ちゃんにどこに行くのだとタクシーに乗る前に聞かれ、パルマルノルテ行きのバスターミナルだ!バカ野郎!!ばりの勢いで気合いを入れて言ったら、は??? お前そのバス亭はここだ!バカ野郎!!とあっけなく言われた。 そう、またまた地球の迷い方には違うバスターミナルと書いてあるのだが、この初日に タクシーの運ちゃんに案内してもらったこのバスターミナルはパルマルノルテまでも行くらしい。 ラッキー! 気を取り直して何事もなかったようにチケット売り場まで直行する。 そうそう、ここで今日の大移動の大まかな行程をを説明しておこう。 まずさきほどのマニュエルアントニオ国立公園~サンホセまで4時間弱 ここサンホセ~パルマルノルテまで約6時間。 パルマルノルテ~シエルペというコルコバード国立公園の入口になる場所までの船が出ている小さな町まで約1時間半の行程だ。 丸半日の大移動!! チケットはスムーズに買え、乗り込むバスもわかりこの大移動のメインイベントともいえる6時間の移動のはじまりーーー このバス、終着点がパナマとの国境近くの街まで行ってしまうらしく油断ができない。 パナマの国境地帯や秘境と呼ばれるエリアに入っていくせいか、先住民族みたいな人が多く、アジア顔に近いので親近感が持てる。 それにしてもコスタリカは人種のるつぼ、マレーシアのようにわりと近いアジア系の人々がいろいろいるのではなく、おおまかに白人、黒人、中間、アジア系、先住民族系などなどありとあらゆる髪の色、目の色、肌の色がいて同じバスに乗り込んでいる。 その中にいるので僕らなどあまり珍しくもないのか、ほとんど気にする様子がない。 相変わらず、トイレが心配なので朝出発してからほぼ飲まず食わず、こういう旅に慣れているので、どこかでストップをかけられるらしく、けっこう平気。 それよりも何よりもパルマルノルテで無事止まれるかの方が心配なのである。 その心配が悪い方向に行ってしまったのか、はたまたアメリカン航空の怨念の残党か、 走り出して、2時間ほどでバスはガソリンスタンドに止まり、そして何故かそのまま止まり続けた。 どうやら、タイヤのどこかに不具合があるらしく、運転手と修理工の人が巨大なタイヤをはずし修理している。 ものすごい手際の良さ、こういうことには慣れっこのようだ。 みんなバスから降りてその作業を見ている それにしてもこのままでは何時に着くのだろうか?予定通りでもちょうど日が沈む頃に 目的地に着く。そこから乗り代えるのが暗くなってくると難易度がましてくる、ましてや 秘境と呼ばれる地域、スペイン語しか通じないと考えてまず良い。 1時間たたないうちに修理は終了し、またバスは走る 遅れを取り戻すべくものすごいスピードでバスは駆け抜け、どんどん進んで行く しかしどこを走っているのかよくわからん。 目的のパルマルノルテがどのくらいの大きさの街なのかもよくわからん。 出発したバスターミナルで同じバスに乗り込む二人の外国人と思われる白人を見つけ、 きっとこの人達も僕らと同じ所に向かうに違いない、よしこれで大丈夫だと少し安心していたが、そのうちの一人が4時間ほど走ったところで止まった食堂で何故だかバスを降りてしまい周りにほぼ何もないと思われる場所で、大きなバックパックを背負いどこかに消えてしまった。 僕らの希望の火が一つ消えてしまった。 辺りは暗くなりはじめ周りの景色がわかりづらくなってしまった。 ますますどこで降りたらよいかわからない。 中米のバスは日本のようにバス亭などあるわけもなく、自分が降りたい所で素早く運転手がいるところまで行き、運転手に降りたい旨を伝える。 当然僕らはその降りる場所がどこかもわからないし、どういうところかも知らない。 他の人が大量に降りてくれるか、運転手が教えてくれない限りわからない。 わからないまま素通りされてしまうということもありえる。 周りの景色を見てもわからないが、たまーーに目的地までの距離が出ている看板があり またどこの街を通っているかというので検討がつけられる。 が、この時はあまかった!! 辺りはもう真っ暗。到着予定時刻がせまってくる、だがどこだかわからん。 近づいてはいると思うのだがーーー、、、 バスは頻繁に止まるようになったが、降りるのは一人や二人、しかも街らしき街がない。 その時、一瞬パルマルノルテは左方向とかかれた看板を見つけ、あれ? でもこのあと周りこむはずだよな、しかも街じゃないし小さなガソリンスタンドしかない、街とは言えない場所を通り過ぎ、やまみちを抜けバスは進む進む、僕らの不安も加速してく。 朝からほとんど飲まず食わず、10時間を超える移動、さすがに疲労困憊 はやく目的地に着いてくれ!! 少し街と思われる街で止まり、数名が降りて行ったのですかさず、乗客の荷物を降ろしている運転手に駆け寄りここはパルマルノルテか?と聞くと、はあ?? 「ここは○○という街だ、パルマルノルテはもうとっくに通り過ぎたぞ!!」 ええーーーーーーーーーーーーーーー やばい、ここからどうしようかと一瞬の間にいろいろな方法を模索する。 とりあえずバスを降りて、この名前もない街灯もほとんどない街の暗がりで、緊急作戦会議。 しかしここがどこだかすらわからない。 ふと暗がりから白タクの運ちゃんと思われる、マンガにでてくるような、いかにも 悪そうな兄ちゃん二人が近寄ってきて何やら話しかけてくる。 「どこに行くんだ?」 僕は最終目的地のシエルペだと言い 二人は顔を見合わせ「ここからめちゃめちゃ遠いぞ」 「ここから80KMはある」と冗談じゃないという口調で言う。 冗談なのはお前らの顔だ!とつっこみたくなったが、この時はそれどころではなく、 こいつら嘘を言ってるのかと相手にしなかったが、俺らは行かないけどと タクシーを止めてくれ、そのドライバーに事情を説明してくれた。 タクシーのドライバーのスーパーマリオに似た、人の良さそうなおじさんは しばらく考えていたが、よし私が行ってあげるよ!!ただUS90ドルだと 別に行かないならそれで良いんだけどと余裕の表情で言った。 ちょっと待ってくれと、また作戦会議。 ここで予定外の90ドルを使うのは正直痛い、だけどこのままこの街に泊まり 明日の朝また不確かな来た道を戻り、乗り換え、そしてボートに乗り コルコバードに明日中にたどりつけるだろうか? たどりつけないとすると旅程がくるい、どこかを削らなくてはいけなくなってしまう。 うーーんと考えていると。 あんちゃん達が、親切に90ドルは高いよなー、 今日はこの街に泊まって明日の朝移動しろよ、この道路の反対側からバスに乗れるからさ。 ホテルはほらあそこにあるだろと しかし、何としてでも今日中にボートの出る街まで行きたかった僕らは、 今回の旅の出資者である母に許可をもらいタクシーに乗ることにした。 しかし、90ドルは高いので80ドルだーー!と言い、まけてもらった。 ただでは転ばない五十嵐家、 実はものすごい良い人達だったあんちゃん達と握手をかわし、真っ暗な名も知らない街を出発、ここからさらに80KMの旅が予想外にはじまった。 この運ちゃん、人が良くわりと陽気なのだが、英語がまったくわからなく なかなか会話が成立しない。 いきなり何だか話しかけられ、OKか?と許可を得ようとしているらしいがいまいちよくわからない、ようやくカサ(家)という単語が出てきて、ミカサに行きたいというので あーと自分の家に行き、誰かを連れて行くのかというのがわかった。 その誰かはもちろん奥さんなのだが、何とも不思議なドライブがこうやって幕をあけた。 奥さんもニコニコしていて、この珍客とのドライブをどう思っているのかは謎だが、 この思いがけない臨時収入があり、僕らを送った後、御飯でも食べに行くのかな―と想像した。 タクシーは暗闇をけっこうなスピードで走り、ほとんど車が走っていない道をわがもの顔で爆走、時には犬を蹴散らし、ひいてしまってもまったく気にしない運ちゃん。 80KMはやっぱり遠く、逆にこっちがこんな時間にこんな距離を付き合わせてしまい 申し訳ない気持ちになってくる。 デコボコ道を通りガクガク道を通り、まったく車が走っていない道をひたすら抜けたら シエルペに着いた。 ようだ あまりにも小さな街というより小さな村。 が、もう一つこの運ちゃんは知らない問題が、 村に着きさてと思っていると、ホテルは?と聞かれ知らないとスペイン語で答えたのだが、 スペイン語を知らないとわからないと思われたようで、それはわかってるけどホテルは?と聞かれたが、ここの村のホテルがわからないんだけど、予約もしていないし というよりも根本的にホテルがあるのかこの小さな村は?と再び不安に陥ったが。 運ちゃんもこれまた親切に人に聞いてくれ、その人がまた親切に知っているホテルに 電話してくれた、がそうあまくないのがこの旅。 部屋がいっぱいらしい。 何とかこの村にあるもう一件のホテルにたどり着き。 運ちゃんと奥さんに別れを告げ、本当にお疲れさまでした! 二人でこの時はさすがに緊張もとけ、ガッツポーズ!!やったーーー やっと着いたよ―――――。 この時ほど嬉しいことがあろうことか。 今晩の寝どこを確保し、まだぎりぎりあいていたレストラン兼バーで 今日初のまともな食事を食べ、ビールを頭が痛くなるほどの勢いでがぶ飲みし こうし大移動は終わった。 明日はついにコスタリカ旅のハイライト秘境コルコバード国立公園へ さらにレアーな動植物との出会い、そしてこの旅初ダイビングも待ってるよー お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012年03月05日 18時17分43秒
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