セブに帰ったのも束の間、翌日体験ダイビングの仕事をこなし、その次の日には高速船にのりボホール島へ旅立った。
今回の旅は、年に一回ダイビング旅行に出かける母親のアテンダント。
プライベートコーディネーター兼、通訳兼、ダイビングでの安全管理人。
前から見てみたかった、ボホール島の南端にある、パングラオ島の日本人が経営しているダイビングリゾート兼ダイビングショップ。ここの視察とダイビング旅行。
ここのエリアはシキホールから片道2時間かけて行ったバリカサグ島へも
30分で行けてしまい、パングラオ島近辺にもポイントが数多くある。
またパミラカン島や、大きな隠れ根セルベルショールなど個性豊かな面白いポイントも多く、フィリピンを代表するダイビングエリアなのだ
セブから高速船で1時間半。 台風と低気圧の影響でなかなか波が高く
グワングワン揺れながら進む船、船酔いで吐く人も出てきて、うーむ世界がなかなか揺れている。 島影に入ればこの揺れは嘘のようになくなるよーとみんなを励ましてくれる謎のおっさん出現、船の乗り組み員だろうがどこから出てきたのだ?
後27分で揺れはおさまるというやけに正確な時間で不正確な情報を教えてくれたが、
30分、40分たっても揺れはおさまらなく、おっさん止まらんやんけー
と思い続けることしばらく、1時間7分ぐらいでおさまった!
とりあえず希望が持てたのでよかった、ありがとうおっさん!!
港についてタクシーに乗り空港へ母親を迎えに行った。
第二の問題はうちの親から出発直前に来た謎のメール。どこで取り次いでどこに行くのかいまいち理解していなかったのと、E-チケットが送られてきていないというメールがきて、出発日に慌ててメールした。 (かなり前に送ってたんだが、、、、、)
リゾートの人は迎えに来ていたが、親が本当に来れるのかがわからなく、
来なかったらこの人に何て説明すればよいのか、連れがこないからセブに戻るね。バイバ-イとローラ風に言えばいいのかなど、まともにこの迎えに来たスタッフと顔を見合すことができなかった。
そんな不安も露知らず、ひょうひょうとやってきた我が母。
彼女が不安に思ったのはただ一つ天気が悪いのでダイビングができるかということだけ。
車で約40分、田舎道をひた走る、最後はこんなとこ入るのか?という暗くてガタガタ道を行き、到着!
海が目の前に見えるが、その海はやはり荒れていて、明日からのダイビングに不安を残す。
そして、一番良い部屋を頼んだはずだが、、、ダイビングリゾートなのでしょうがないのかな? なかなか古いというかメンテが全然されていなく、部屋の入口にはありの小群が
うーむ、早くも失敗の二文字が頭をよぎる。
超お腹がすいていたし、こういうリゾートではどういう御飯を出すのかこれも視察したかったが、、、うーん何だか期待が持てないぞ早くも。(その感は見事に的中した)
なので、自力でおいしいもの探しへ。
結果から言わせていただくと、うーーん。欧米人が多いというのもあるし、予想以上に田舎というのもあるし、まともにフィリピ料理をだしている店がほとんどなく
欧米風の料理ばかり、全部中途半端。 残念な感じでございます。
残念な夕食から一夜あけて、やはり残念な天気な朝
やはり予想通り残念な朝御飯でした。(しかもフィリピンの物価からしてありえないぐらい高い!)
ダイビングも風の影響が少ない南側のポイントへ行き、ビーチエントリーのみ二本とも同じポイントで潜る。
透明度も低く、上がったら肌寒く、おまけにトイレがないと言われる。
男性はその辺ですればいいが、女性はどうなるんじゃい! みんなダイビング中にするしかないのかー、何かいろいろ想像してしまっていやだな。 そういえばみんな何となくよそよそしいのはそのためか?
周りに民家が数軒あるから貸してもらえるように交渉すれば良いのに。
正直ガイドもサービスも中途半端だが料金は高い
そして、施設投資や顧客サービスに対する投資、スタッフ教育
すべてにおいてケチで、無関心。 オーナーはお客さんにまったく挨拶しないし、ほとんどスタッフとも会話をしていない、だが常にお客さんがいるところや食事には顔を出す、正直気まづいし、スタッフも気まずそうにしている。
翌日も天気は悪く、遠出はできないが、船を使って近場のポイントなら行けるとのこと
よーし気を取り直して行ってみますか!!
もうこうなったら天気やダイビングショップのサービス、ガイドは変えられないので
自分達で楽しむしかない!! ばんばん楽しんじゃいますよ-っと
透明度はまあまあなので、景色や大物にフォーカスしていくのではなく、一つ一つの生物に焦点をあて、じっくりその生物を観察しながらベストショットを狙っていくパターンが良い。 そのためにはガイドもそのことを感じ、かなりゆっくりガイドをしなくてはいけないのだが、あまりわかっていなかった様子。とほほ
その辺のゴミと見間違えてしまうカミソリウオ君。
カメラの性能もあるが、なかなかこれが被写体だとカメラが認識してくれず、撮るのが大変。 本物のゴミに焦点があたってしまったりする。
つぶらな瞳と可愛い口、シャープな体がなかなかいい味出してるんだけどなー
なかなかキュートなカエルウオの仲間、かなり小さいので撮るのに苦労した。
そして、意外とすぐ逃げてしまうのでまた戻ってきて、ベストポジションで撮るのも一苦労。 この子一匹撮るのにダイビング一本ついやしてもいいやと思ったぐらい。
だが、ガイドは気づいてくれないのです。
珍しい模様のセジロクマノミ、パウロ君二世と名付けられているよう
十字架がうまく見えるように撮るのになかなか一苦労。
テンジクダイの仲間、光沢が美しく、角度によってはいろいろな色に見える。
僕には何だかお菓子にも見えておいしそう
パングラオ島のポイントはテンジクダイ、イシモチの種類も多く、
枝サンゴなどに群がるそれは、蛍光色をまとったクリスマスツリーのよう。
ウミウシやヒラムシの仲間だと思うが、もっといつも見る奴は
ナメクジみたいにひらったく砂地をはっていて、形も平たく、触角のようなのがまっすぐ伸びているが。
こいつは何故だかわかりにくいが、何か膜のようなものの上に立っているというか座っていて、サーカスに出て来るピエロのような格好、魔術師のような風貌。
なんだこいつは何がしたいのか?とずっと観察していた。
人間になりたいのか? (はやく人間になりたーい)
なかなか一つ一つの生物を観察し、じっくり語りかけるように撮りながら(けっこう水中で話しているが、誰にも聞こえない)、そいつの特徴や性格までわかってくると面白い。
その種類によっても違うし個体によっても違うので、魚類観察もやみつきになる
ダイビングは自然を相手にするレジャー、相手にするというか、自然の中に邪魔ものの人間がお邪魔するレジャー、邪魔レジャーなので、訪問者は失礼のないようにその場所に合わせていかなければいけないので、いろいろな楽しみ方を自分で探して行くと良いと思う。
海外旅行とかでもそうだが、こうしたい、こうしてほしい、こうじゃないとダメというのはおかしな話だと思う。
じっくり、ゆっくりと海の生物との対話を終え、心地よい疲れのもと
リゾートへ戻る。
ここのリゾートで一番良かったのが部屋に冷蔵庫があり、ビールがキンキンに冷えていること。 ダイビング後のビールはやはりうまい!!
一日の最後は、教えてもらったイタリアンに行ってみる。
期待しないで行ったらなんとここが大当たり!!
出て来るもののレベルの高さ、シチリア出身のオーナーが選んだシチリア産のワインのおいしさ、彼の情熱がフィリピン人のサービス精神とうまく融合した、サービスの良さ
東京にあってもなかなか良い線いくんじゃないかと思う。
何よりも誇りを持って働いているフィリピン人の姿が良かった
自分の頭で考え、自信を持って行動する、こんなにてきぱき働けるフィリピン人はまずめったに見られない。
本当にフィリピン人をここまで教育したのには頭が下がる、勉強になります。
6日間の滞在中4日間通ったが、毎回オーナーがいて、忙しい時は一緒に働いてその姿をスタッフに見せている、的確な指示、スタッフ教育。
どこかのダイビングリゾート兼ダイビングショップのオーナーに研修に行かせてやりたい
スタッフをここで働かせてみたら良いのにと本気で思った。
最高の食事と最高の酒が飲め、大満足で二人はホテルに戻った。
風はだいぶおさまってきて、このままいけば明日は遠出ができるそうだ。
それにしてもあの店はおいしかった、ビーチ沿いの有名エリアからもけっこう離れているし、自信がないとあの場所では勝負できないと思う。
どんなところでやろうが、フィリピンの人と働こうが、良いものは受け入れられるただ自分次第、挑戦し続け、磨き続け、あきらめないこと
挑戦に終わりはない。 制限もない。
このお店に勇気をもらった。