手が空手として体系化される頃の伝記
<a href="https://amzn.to/3JEaykL" target="_blank"><font style="font-size:18px;">『宗棍』</font><div align="center"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/611oZmA8JvL._AC_UL348_SR348,348_.jpg" border=0 width="348px" alt="宗棍" /></div></a><a href="https://www.nogizaka46.com/s/n46/page/35th_single" target="_blank">Amazonより</a>警察小説の名手、今野敏氏のもう一つの代表的な武人の伝記ものシリーズです。このシリーズは大東流合気柔術の武田惣角の「惣角流浪」に始まり、弘道館四天王のひとり西郷四郎(姿三四郎のモデル)の「山嵐」など、実在した人物の生涯を丁寧な取材をもとに描いています。今まで、7作、本作で8作目です。20年以上かかって8作ですから、決してシリーズと言えるほどの多作ではなく、大きく間隔が空いているのですが、それだけ伝承として伝わるものをきちんと取材して、丁寧に編み上げたのでしょう。本作はある意味空手の始祖とも言える「松村宗棍」の生涯です。それまでの武道家達とくらべると、随分穏やかな生涯を送っています。しかし、空手の「一撃必殺」一撃必殺というものを生み出したのが松村宗棍なので、その熱量は押して知るべしです。他にも空手特有の巻藁(今はもうどこの道場にもないでしょうけど、昔の空手道場には壁に向かって並んでいました)を発明したのも松村宗棍だったのは初めて知りました。空手の大きな流派の系洲流の創始者が弟子だったり、もう知らないことだらけで、小説を読んで面白かったというより、勉強になりましたって感じでした。<a href="https://amzn.to/3JEaykL" target="_blank">『宗棍』</a>は沖縄の歴史や人物像についても本当によく調べられていて、このシリーズ、次回の各品も楽しみです。皆さんに全ての良きことが雪崩のごとく起きます。