カテゴリ:育児
チビちゃんはその後、せきがひどくなって、
連続でせきこんでは涙を流している。 鼻も詰まっているから、余計に苦しいのだろう、 かわいそうで仕方がない。 これがよその子だったら、 「そりゃ風邪なんだから、鼻も詰まるし、 せきもするでしょ」 と冷静でいられるのかもしれないが、 わが子が苦しそうにしているのを見るのは 親としてとても心が痛む。 どうにもしてやれないのが悲しくて、 親のほうが涙がこみ上げてきて、 思わず声を上げて泣きたくなる。 病気の子の世話をしながらふと思い出す情景は、 子供の頃、ぜんそくだったつばめの世話をする母の姿。 咳き込むつばめに薬を飲ませ、高い枕に寄りかからせて、 ずーっと背中をさすっていた母、ふとつばめのそばを離れ、 隠れて泣いていた。 つばめは、 「お母さんなんで泣いてるのかな」 と不思議に思ったのだったが、 その時の母の気持ちが、今になってやっと分かるようになった。 子を持って知る親心。 チビちゃんを産んで、今まで知らなかった 色んな体験や色んな感情を知るようになった。 つばめにとっての驚きは、 こんな感情を、世の中の親はみーんな体験しているのだと いうこと。でも、子供を持つまでは、 そういう感情の世界があることを 全く知らなかった。 そんな親としての普通の感情を、 全く知らずに過ごしてきた自分というものに 驚きを隠せないのである。 人は自分の置かれている環境・自分の体験だけが 世界だと思いがちだけど、 ごく普通に隣にいる人が、自分と全く違う体験をし、 全く違った感情世界を生きていることに気づくと とても不思議な気分になる。 体験しないと分からない感情っていっぱいあるのだろう、 そしたらこの世の中にいったいどれだけの 自分の知らない世界が広がっているのだろうと思うと、 頭がクラクラしてくるつばめなのだった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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