中国では赤ちゃんが満1ヶ月を迎えると
髪の毛を剃る習慣があります。
上のチビちゃんの時は
せっかく生えてきた少ない髪を
剃るのはしのびなかったのですが、
夫に押されて剃髪。
チビちゃんは満1ヶ月にして丸坊主になりました。
でもふたり目ちゃんは女の子。
中国は女の子でも丸坊主にするのです。
「髪を剃るとあとからもっといい髪の毛が生えてくる」
というのですが、ふたり目ちゃんは
誕生時から黒い髪がふさふさと生えていて、
周りのみんなに髪の毛をほめられています。
「剃らなくてもいい髪の毛が生えてるからいいよ」
とつばめは主張しましたが、
夫はどうしてもふたり目ちゃんの頭を丸めたいよう。
でも長男の時は夫の意見が通ったので、
今度の子はつばめの好きにさせてやるべきか、
と少し思っているようで、それ以上強引に
言ってくることはありませんでした。
「チビちゃんの時は、1ヶ月で髪をそって、
それで胎毛筆も作ったのに、ふたり目ちゃんは何もなし、
大きくなってふたり目ちゃんが不公平だと
文句を言っても知らないよ」
と小声でブツブツ言うのみです。
赤ちゃんが満1ヶ月になる頃になると、
どうして知っているのか、
あちこちの胎毛筆や手形などの記念品を作る会社や
記念写真を撮る会社から勧誘電話がかかってきたり、
ダイレクトメールが送られてきたりします。
ふと家に送られてきた記念品制作会社の
DMを見ていると、
「なぜ赤ちゃんは満1ヶ月で髪の毛を剃る必要があるのか」
というコラムがありました。
それによると、生後満1か月の剃髪は、
「頭(最初)からはじめて、
一生丸く(円満に)過ごせるように」
という意味が込められているとか。
伝統的に剃髪は毒素を出し、吉兆、健康、聡明、継承
などの意味があると言われており、
栄養・健康という角度からいっても
剃髪は髪が伸びることによる不必要な栄養の損失を防ぎ、
赤ちゃんの成長に有利だとのこと。
また生まれたての赤ちゃんの頭皮は
「胎脂」と呼ばれる油脂で覆われており、
感染して細菌が繁殖したり、
汗をかいてあせもになる恐れがあるので、
科学的に言っても剃髪は理にかなっているというのだ。
確かに、丸坊主にしたら清潔を保ちやすいというのは
あるかもしれない。
中国では伝統的に赤ちゃんはあまり頻繁にお風呂に入れないようで、
うちの義母も赤ちゃんをお風呂に入れることには
かなり抵抗があるよう。
お風呂というと、今日は天気が悪いから、とか
時間が遅いから、とか何かと理由とつけて
1日でも赤ちゃんの入浴を遅らせようとします。
服の着替えひとつとっても、風邪を引くから、と
少々吐いたりおしっこがもれたりして
汚れてもガーゼか何かをつっこんで
そのまま乾くのを待とうとします。
病院では毎日お風呂に入っていたし、
今はお医者さんも赤ちゃんを毎日お風呂に入れるようにって
言っていたよ、って言うのですが、
習慣というのは簡単に変えられないもの。
義母だって、それが赤ちゃんにとって
一番いいと思ってのアドバイスなのです。
もしたまにしかお風呂に入れたり
髪を洗ってやったりできないなら、
確かに赤ちゃんの頭は皮脂などで汚れやすいし、
丸坊主にして、毎日つるっと拭いてやったほうが
赤ちゃんのためかもしれません。
でもやっぱり、女の子を丸坊主にするのは
日本人のつばめにはどうしても抵抗があり、
いまだに剃髪はしていません。
だって、大きくなって赤ちゃんの写真を見たときに、
女の子か男の子か分からないような丸坊主っていうのは
いやだし~。
この間、北京大学出身の夫の友人が来たとき、
「うちの夫が丸坊主にしろってうるさいんですよ~」
と話をふってみたところ、
「えっ、うちの娘も赤ちゃんの時は丸坊主にしたよ」
と当たり前のように言われました。
剃髪の伝統はインテリにも行き渡っているようで、
その根強さを感じました。
これを文化・習慣の違いというのでしょうね。
生後1か月余りの赤ちゃんが剃髪もせず、
ふさふさとした髪の毛が生えているのを
見慣れていない中国人は、
うちのふたり目ちゃんの頭に髪があるのに
どうも違和感を感じるようで、
会う人ごとになぜ頭を剃らないのかと問われます。
今のところ剃るつもりはありませんが、
つばめも周りの声に押されて、夏だし暑いし
いっそのこと丸坊主に、
という気になってしまうかもしれません。
その際にはまた、丸坊主になった
ふたり目ちゃんの写真をブログにUPしますね。
↓生後19日目の寝顔