ニーハオ中国

ある日の夕方、チビちゃんを連れて
近くのパン屋に買い物に行きました。

ちょうど小さく切ったチーズケーキが
試食コーナーに置いてあったので、
チビちゃんにひとつ取ってやりました。

するとチビちゃん、ケーキを手に、
キョトンとした顔でつばめを見つめています。
なぜ突然ケーキがもらえたのか分からないのでしょう。
その後、ゆっくりケーキを口へ。

「おいしい？」

と聞くと、キツネに包まれたような表情で
「おいしい」と答えます。

つばめはいつもは食事前に甘いものは与えないのですが、
試食だとほんのちょっとだし、たまにはいいかと思って
違う種類の試食ケーキをもう一つ取ってやると、
チビちゃん、ケーキを持ったまま、食べようとしません。

パン屋から出て座るところを探し、
チビちゃんに

「食べていいよ」

と促すのですが、チビちゃん、
食べようとしません。

「じゃあ、もうすぐ晩ごはんだから、
　ご飯のあとに食べようか」

と言うと、素直に頷いて
ケーキをパンの袋に入れました。

チビちゃん、おなかすいてないのかも、
とその時は思ったのですが、
夕食をしっかり食べたのをみて、
不思議に思うつばめ。

さて、食事後。。。

6階に戻って、

「パン屋でもらったケーキだよ」

と試食ケーキを出してやると、
チビちゃん、チョビチョビとなめるように
食べます。

つばめ、再び、

「おなか空いてないのかな」

と思ったのですが、夫、

「こんなちょっとしかないから、
　食べ惜しんでいるんだよ、かわいそうに･･･」

と言うのを聞いて、
なるほどそうかも、と納得のつばめ。
パン屋でケーキを一口食べて、
あまりにおいしかったので、
二つ目をもらった時、
パクッと一口で食べちゃうのが惜しくて、
じっと手に持っていたのかも、
と思い至りました。

「良い子にしてたら、またお父さんが
　買ってあげるからな」

と夫は言いましたが、つばめは、

「ケーキは誕生日とか特別な日だけ
　食べるものなんだよ」

と言い聞かせています。
じゃないと、毎日近所のパン屋を通るたびに
「買って買って！」と大騒ぎされて
困るのは目に見えているからです。

それにしても、チビちゃん、
我慢して楽しみを後に取っておけるように
なったんだなぁ～、と、
子供の精神の成長に
ちょっぴり感無量のつばめなのでした。

↓最近、毎週家族で日壇公園へ遊びに行っています