カテゴリ:義母の死
義父が「昼食もつばめ達と一緒に」と口にした瞬間、
つばめの6階で昼食を食べるという夢はついえた。 やっぱり一緒に食べるのが妥当だ、という思いと、 それでも諦め切れない未練とが葛藤し、 頭の中には、スパゲティーやグラタン、 ハンバーグ、カレーにシチューなど、 日本食とはいえないけど、 日本人がよく食べる食事が浮かんでは消えていく。 うどんやどんぶり、天ぷらにお好み焼き、 関西人のつばめは、昼食にたこ焼きなんてのも OKなんやけど。。。 しかし中華しか受け付けない超保守的な義父には、 どれもこれもNGである。 あーあ、これからも、毎日毎食、中華かぁ。。。 しかし、情勢はもう、後戻りできないところへ来ている。 しょうがない。ここは気持ちを切り替えて、 中華の作り方でも勉強するか。 そう思ったつばめは、 最後の数日間、親戚のおばあさんの食事作りを見て、 必死にメモを取った。 (それまでは、自分が中華を作って食べたいという 気持ち自体が希薄だったため、 真面目にメモなど取ったことがなかった) かくして月曜日、はじめて義父、つばめ、 そしてふたりめちゃんの3人で 昼食を取ることと相成った。 前日、何時に昼食にしたいか義父に聞くと、 11時半から準備して、12時に昼食にしようとのこと。 つばめは義父の好きなジャージャー麺を提案し、 「お父さんはきっとご存じだと思いますけど、 私一応調べたので、渡しときます」 ジャージャー麺の味噌の作り方を書いた紙を 前日の晩に渡しておいた。 そして約束の11時半に1階に下りてみると、 義父、すでに味噌を作り終えていた。 「お義父さん、すごいじゃないですか」 とほめてみると、義父、まんざらでもない様子。 「紙に書いてある通りに、五花肉の肉と脂身を切り分けて、 それぞれちゃんと切ったんだよ」 と自慢げ。 それを聞いてつばめ、 「ああ、やっぱり作り方を全然知らなくて、 紙を見ながら一生懸命やったんだ (うちの五花肉はもう煮て薄切りしてあるんだから、 そんなことしなくていいのに・・・)」 と納得。やっぱり紙を渡しておいてよかった。 (私が教えるっていうのは、絶対受け付けないと思うし。) とにもかくにも、つばめはキュウリの細切りなど準備し、 はじめての昼食としてはとてもいい雰囲気で、 おいしくジャージャー麺をいただいた。 つづく。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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