昨日、北京市の小学校入学の申し込み方法が今年から
教育委員会のHPに個人情報を入力する方式に変わったこと、
また外国籍の子供も、現地普通校に入学できるという
内容のことを書きました。
しかし、外国籍の子は中考(中国の高校統一試験)には参加できても、
普通、高考(中国の大学統一試験)は受験できません。
(その生徒が中国「外国人永久居留証」、または
「外僑居留証」(各区の“侨办”で手続き)を提出した場合に限り、
外国籍の子も中国人と同じ土俵で高考を受験できるようです。
2014年高考参加条件 http://www.bjeea.cn/html/gkgz/zkzc/2013/0929/50394.html))
(華僑子弟の場合、10点加点というおまけもあるそう。)
(「永久居留証」を取得した外国籍の子供は、
中国人同等に高考は受験できても、
留学生枠での受験が可能かどうかは不明。
精華大、北京大学は今のところ可能のよう。)
・・・ということで、外国籍の子供の中国での大学受験は、
一般的には、留学生試験を目指すことになります。
子供がまだ幼稚園生の状態で、
大学受験のことまで考えるのは時期尚早という気もしますが、
どういう国籍を選び、どういう学校に入るかによって、
その後のルートも大きく変わってきます。
北京戸籍でずっと行くなら、もう、
中国人の子供に交じって、受験戦争を勝ち抜けるよう
頑張るしかありません。
北京戸籍で中国人として行って、ダメそうだったら
北京戸籍を放棄して日本国籍一本にし、
外国人として中国の大学を受験するということは
可能かどうかですが、
留学生として中国の一流大学を受験するには、
「外国パスポートを取得して4年以上、
かつ受験直近の4年間
(大学入学する年の4月30日からさかのぼって4年)
のうち、少なくとも2年間以上海外に居住している
(1年のうち9か月海外にいれば可)」
ことが条件となっているようです。
(「教育部关于规范我高等学校接受外国留学生有关工作的通知」2009参照)
http://www.moe.gov.cn/publicfiles/business/htmlfiles/moe/moe_850/201305/xxgk_152311.html
でも、受験直前に中国に戻ってきたのでは
受験対策もできないので、
中3~高1、もしくは高1~2年生の間、
子供を中国国外で学校に通わせる等しないと、
留学生枠での中国一流大学受験は難しいということになります。
(全ての大学というわけではないようですが・・・)
だから、北京戸籍でいくところまでいって、
中国人として大学受験に勝ち残れそうになかったら、
北京戸籍を捨てて留学生枠で受験、
というのも、なかなか難しいですね。
途中で路線変更するにしても、早めの決断が必要です。
しかし、外国人という身分で学校教育を受けたとしても、
直近4年間に2年以上海外在住等の条件を満たさないと、
留学生枠で中国の一流大学受験はできなさそうなのは同じです。
ちなみに、ずーっと中国育ちでも、
もともと外国籍だけの場合は直近4年間うんぬん等の条件は
問題ないようだという話も聞きました。
(しかし将来はどうなるか分かりません。
方向的には、中国人と同じ学習環境で育った子どもは、
できるだけ留学生扱いにはしたくないというのが
教育部の意向ではないかと、つばめは感じています。)
こう考えていくと、もう何が何だか分からなくなりそうですが、
要するに、二重国籍を持っていて、
ある時は外国人、ある時は中国人という風に
使い分けようとすると、難しいということでしょうね。
日本籍なら外国人子弟として
日本人学校やインター、現地校国際部または現地普通校に通い、
大学受験4年以上前に外国パスポートを取得し、
直近4年間に2年以上中国国外に居住という条件に符合すれば
留学生枠で中国の一流大学を狙うのもよし、
条件を満たさなければ、帰国子女枠等で日本等の大学へ。
(どうしても中国人と同じ土俵で中国の大学を狙いたいなら、
早めに「永久居留証」等を取得して、高考を受験も可能。)
北京戸籍で行くことを選ぶなら、
中国人として現地校に通い、
現地の中国人学生と同じ土俵で高考を受験して
中国の大学へ進学するか、
もしくは、留学生枠で日本等の大学へ。
というのが一般的でしょうか。
もちろん、途中で路線変更やその他のルートも
色々あるかと思います。
欧米その他の国の大学という進路もありですが、
英語力が問われることが多いようですね。
(あと補足として、
東京大学など日本の一部の国立大学では、
高校・大学とも海外で卒業した場合に限って、
日本人でも外国人留学生と同じ条件で
大学院受験ができる場合があるようです。
中国で外国人として高校・大学を卒業した後、
大学院は日本人でありながら留学生扱いで日本、
というのもありかも!?)
中国の教育システムの全体像というのがよくつかめないうえ、
数年ごとに新政策が出たりして、
なかなか将来を予測することは困難ですが、
今現在での学校情報を皆さんからお聞きして、
大変勉強になったつばめなのでした。